50代からの車選びとライフスタイル研究所

このサイトでは50代以上の方を対象とし、車選びとライフスタイルについて参考になりそうな情報をお伝えしていきます。運転歴35年以上で軽自動車からワンボックスまで9台を乗り継いできました。50代、60代ともなりますと車の選び方や働き方、日々の生活も変わってきます。人生100年時代ともいわれる成熟の世代を楽しく生きるためのクルマ情報やライフスタイル情報、私の考えや思いをエッセイ的にまとめていきたいと思います。

愛のある運転

UnsplashのMayur Galaが撮影した写真

今日のこのタイトルをご覧になって、ピンときた方もいらっしゃると思います。

そうです、4年前、池袋で起きた高齢ドライバーによる暴走事故で、31歳の奥様と3歳のお嬢様を亡くされた松永拓也さんが現場近くの慰霊碑で献花し、「この世のすべての命は2人と同じように尊いもの。だからこそ、互いの大切な命を守り合う、愛のある運転をしてほしい」と語ったのです。

 

重みのある言葉です。

 

愛のある運転とは、互いを思いやり、譲り合う、自分も相手も危険な状況に陥れない運転なのだと思います。狭い道で我先に、ではなく、余裕をもって待避できるスペースがあるほうが、そうした場所に停止し、相手を通してあげる。

横断歩道で渡りたい人がいたら、速度を落とし停車、反対車線も確認したうえで、手で「どうぞ」のサインを送る。

県外ナンバーの車がそうとは知らずに左折専用レーンに入ってしまい、直進レーンに車線変更したがっている場合は余裕をもってスペースをつくり、入れてあげる。

そして譲ってもらったり、停まってもらったりしたほうはサンキューハザード点滅だったり、会釈するなり、軽く手を挙げて感謝の気持ちを表す。

 

お互いに気持ちよいですよね。

 

私の仕事場の近くにセンターラインなどなく、狭い坂道で、待避スペースも限られる、しかも路線バスも通るというハードな道があります。距離は700mくらいでしょうか。カーブもあり、見通しも悪いです。

かつて私の上司(それなりのご年齢)で、好き好んでこの道を使っていた方がいます。

ある日、助手席に同乗する機会があり、上司はこの道を通りました。案の定、対向車が何台もやってきて、都度、待避スペースによけて通してあげていました。1回くらいは相手が譲ってくれていました。

 

なにもこの道を通らずとも、目的地に行く道はあるのに・・・と思った私は、その上司に尋ねました。「なんでこの道を通るのですか?」

 

答えは「譲ったときに手をあげてくれたり会釈してくれたり、譲ってもらった時にこちらがお礼の合図をすると、相手『どういたしまして』という感じで軽く頭を下げてくれる――こうしたコミュニケーションが気持ちいいんだ」というものでした。

 

私は日ごろの行いがよくないのか、同じ道を通っても、そもそも待避してもらえず突っ込んでこられたり、譲ってあげても挨拶一つなく通過されたりすることのほうが7対3くらいで多かったので、よほどのことがないとこのルートは使っていません。

ささいなことで心が乱されると、運転に悪影響が出るからです。

 

しかし、松永さんの言葉を思い返すと、還暦を超えても、自分はまだまだだ、と思わざるを得ません。愛とは、そもそも無償の愛といわれるように、相手の見返りを期待しないこと。本当にドライバーみんなが「愛のある運転」をすれば、どれだけ気持ち良い、そして安全な車社会となることか。

 

さあ、「愛のある運転」、一緒に始めましょう。