50代からの車選びとライフスタイル研究所

このサイトでは50代以上の方を対象とし、車選びとライフスタイルについて参考になりそうな情報をお伝えしていきます。運転歴35年以上で軽自動車からワンボックスまで9台を乗り継いできました。50代、60代ともなりますと車の選び方や働き方、日々の生活も変わってきます。人生100年時代ともいわれる成熟の世代を楽しく生きるためのクルマ情報やライフスタイル情報、私の考えや思いをエッセイ的にまとめていきたいと思います。

車選び:日産オーラの私的研究

f:id:downsizer:20210721211347j:plain

少し旧聞に属しますが、今日は日産オーラについてみていきたいと思います。

日産はまだ私が免許を取得できる年齢になる前から学生時代にかけて、憧れの車を生産しているメーカーでした。なんといってもフェアレディZスカイライン(ケンメリ)、シルビアに心を奪われました。初代エクストレイルの登場も印象的でした。

しかしその頃、免許は取ってもすぐに車を持つことはかなわず、これらの車種は憧れのままとなりました。

 

その後、トヨタを乗り継ぎ、最近はホンダとなった次第です。

そうこうしているうちに日産は業績が低迷したり、V字回復を果たしたり、元会長の逮捕などによってイメージを下げたり・・・といった浮き沈みを経験してきました。ここ1~2年はキックスの投入、ノートのフルモデルチェンジ、そして今回のノートオーラの発売と、新たな日産のエンブレムとともに、復活を予感させるような感じです。

 

やはり好敵手というのは必要なのだと考えます。かつてはカローラに対してサニー、コロナに対してブルーバード、クラウンに対してセドリック、グロリアというように、消費者にとって常に比較対象できる車種を両社はラインナップしていました。

「このクラスのこのようなタイプの車が欲しい」となれば、少なくてもトヨタ、日産のラインナップの中から見つけることができ、両社のディーラーをまわって見積もりを競合させることができました。

 

しかしこのところトヨタと日産の差は開いていったので、日本の自動車産業の発展のためにも日産の復権は願うところでした。

しかし個人的レベルになると、エクストレイルならフォレスターだし、ノートならフィットだし、セレナならヴォクシーだし・・・と日産を積極的に選べなくなってしまいました。ただ唯一、GR86ならフェアレディZをとります。

 

今回のオーラは、車両サイズは大きくなくても、内外装が上位車種と比べて遜色なく、コンパクトながら満足度が高い車、ダウンサイジングに耐えうる車などと注目したのです。

なんといっても車幅こそ1735mmと5ナンバー枠を超えていますが、そのほかは4mちょっとの車長といい、日本で、というより我が家の周りでの取り回しにもってこいという点が将来の車選びの候補になると思った次第です。

 

オーラはノートの上級バージョンの位置づけなので、通常はオプション設定となる360度アラウンドビューモニターが標準で採用されているなど、なかなか装備も充実しているようです。後述する1点をのぞいては・・・なのですが。

 

特徴的な安全運転支援システム(標準搭載のもの)

私的に注目したもののみ列挙します。「」は公式サイトからの引用です。

①標識検知機能(進入禁止標識検知、最高速度標識検知、一時停止標識検知)
「進入禁止標識、最高速度標識、一時停止標識の3つを検知。アドバンスドドライブアシストディスプレイに警告表示するとともに、進入禁止標識を通過した場合にはブザーでもドライバーに注意を喚起します。」

➡進入禁止の標識を突破したときにブザーで知らせるというのは、他車ではあまりないと思います。

②インテリジェント FCW(前方衝突予測警報)
「2台前を走る車両の車間・相対速度をミリ波レーダーでモニタリング。自車からは見えない前方の状況を検知し、減速が必要と判断した場合にはディスプレイ表示とブザーでドライバーに注意を促し、ブレーキの踏み遅れによる玉突き事故回避を支援します。」

➡これもほかの車ではあまり見かけません。前の前を走る車をウオッチすることで、危険回避を行うという動作は、ふだん、私も意識しています。


③インテリジェント DA(ふらつき警報)
「時速60km/h以上で走行中、ハンドル操作からドライバーの注意力が低下していると判断したときに、ブザーとアドバンスドドライブアシストディスプレイヘの表示で休憩を促します。」

➡スバルのドライバー監視システムほどではないにせよ、注意力散漫を注視してくれるのはよいですね。

 

④インテリジェント BSI(後側方衝突防止支援システム)
「レーンチェンジの際の“ヒヤリ”防止を支援
車両後部の左右のミリ波レーダーにより、後側方の車両を検知するとともに、フロントカメラで車線内の車両の位置を認識します。後側方に車両がいる場合には、サイドミラーのインジケーターでドライバーに知らせます。それでも気づかずに車線変更を始めた場合は、ブザーとインジケーターで知らせるとともに、車線内に戻す方向へ力を発生させ、ドライバーに自車両をもとの車線に戻す操作を促します。」

➡ブラインドゾーンの後側方の車を検知するにとどまらず、車線変更をしようとしてもそれをさせないようにシステムが作動するようです。普通はブザーの段階で気づくとは思いますが、念のためということで・・・。

 

プロパイロットはどうなっているのか?

トヨタならトヨタセーフティセンス、ホンダならホンダセンシング、スバルならアイサイト、というようにメーカーごとに安全運転支援システムの「総称」的なものがあります。

私は勉強不足もあって、日産のこれに相当するものが「プロパイロット」だと思っていました。しかし、これは誤解で、プロパイロットというものは、レーダークルーズコントロールアダプティブクルーズコントロール、俗にACCといわれるもの)とレーンキープアシスト(LKA、主に高速道路などで、レーンの中央に車を保持する機能)などの組み合わせのみをいい、あとは「インテリジェント〇〇」といわれる、機能ごとにいわば「インテリジェントシリーズ」ともいうべき個別の名称が与えられています。

 

オーラのホームページを見ると、プロパイロット以外の安全運転支援システムを「360°セーフティアシスト(全方位運転支援システム)というくくり方をしているようです。

 

オーラのプロパイロットは、「プロパイロット(ナビリンク機能付)」というもので、(ナビリンク機能付)となっているところがミソです。
通常のACCやLKAとは異なり、地図連動で車速コントロールが入ります。スバルの「アイサイトX」に近いものです。

 

セットオプション設定はいかがなものか・・・

オーラは1グレード展開で、約260万円です。通常、このクラスの車なら(というより今や車種によっては軽自動車にも標準搭載されている)ACCやLKAはついていて当然という感覚です。

オーラのHPでは「プロパイロット(ナビリンク機能付)[メーカーオプション]」とあったので、念のため日産に問い合わせてみました。私としては(ナビリンク機能付)はオプションになるが、通常のACCなどは流石に標準で搭載されていると思ったのです。

 

しかし、それは淡い願望に過ぎませんでした。プロパイロット、というより私としては単にACCとLKAが付いていて欲しかったのですが、それらは40万円以上するセットオプションに組み込まれており、約260万円の車に約40万円のセットオプションをつけない限り、ACC等はつけられないのです。

日産はノートのときから桁外れオプションセット販売の路線を取り始めたので、これについては苦々しく思っていました。しかし今回、発売されたオーラでは、それらの主要なものが標準装備となったので、本当に良かったと思っていたのです。まあ360°アラウンドビューモニターまではいらないから、その分、少し安くなるといいかな、とは思いましたが・・・。

 

動画などでは皆さんあっさりと、「このオプションは全部載せなので、つけましょう」などとおっしゃっていますが、かつて世の中で問題になった「抱き合わせ販売」なのではと思ってしまいます。

 

かつてはこのような数十万円するセットオプションの設定などというのは、どこのメーカーもなかったと記憶しています。せいぜい数万円単位のオプションがいろいろ設定されていて、それぞれが自分に必要なものを組み合わせて機能と価格のバランスをとりながら車を買うことができました。

 

日産には頑張っていただきたいのですが、トヨタには、このような数十万円もするセットオプションは、少なくてもコンパクトクラスでは存在しません。

オーラの内装は上質で、走りの評価も高かったので、次に乗り換えるとしたら、有力な候補となるはずでした。しかし、車両本体価格が260万円もするのにACC等が標準で装備されず、オプションで手当てしようと思っても、抱き合わせセットオプションで40万円以上も出さないと手に入らないのであれば、完全に対象外となりました。

 

日産のプロダクトアウト的な発想を少々残念に思います。

 

本日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。