50代からの車選びとライフスタイル研究所

このサイトでは50代以上の方を対象とし、車選びとライフスタイルについて参考になりそうな情報をお伝えしていきます。運転歴35年以上で軽自動車からワンボックスまで9台を乗り継いできました。50代、60代ともなりますと車の選び方や働き方、日々の生活も変わってきます。人生100年時代ともいわれる成熟の世代を楽しく生きるためのクルマ情報やライフスタイル情報、私の考えや思いをエッセイ的にまとめていきたいと思います。

車選び:メーカーのこだわり~スバル⑥デザインとメーカーへの注文

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スバルの最終回です。

スバルのデザイン①「車のデザイン」

スバルのデザインフィロソフィーは「Dynamic × Solid」。
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「安心」をイメージさせるソリッドな塊感をベースに、
「愉しさ」を感じさせるダイナミックな躍動感を融合。
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・・・と同社ではいうのですが。「ソリッド」の意味がよくわかりません。solidですから、固体の、硬質の、という意味なのだと思いますが「ソリッドな塊感」といわれても、ニュアンスが伝わってきません。どこかで「ソリッド」が意味する日本語を()書きでいれておいていただければ良かったかと思います。
私自身がよく理解できないものをこれ以上お伝えするわけにも参りませんので、次にいきたいと思います。

スバルらしいデザインが現れているのはフロント部分です。
まずヘッドランプですが、コの字のポジションランプは、BOXERのピストンを表現しています。テールランプも同様の形をしています。「カニの爪」ともいわれています。またフロントグリルは「自然界で最も安定したカタチ」(同社サイト)であるヘキサゴン(六角形)を採用しています。この六角形は、スバルである六連星の意味も込めています。フロントフェイスには「スバルの記号性」を凝縮したといいます。

このあたりはマツダの魂動デザインと同じで、前から見ても後ろから見ても、すぐにそのメーカーの車だとわかるようにした、ということです。

スバルのデザイン②「サイトのデザイン」

ひとことで言えば、スバルのサイトは見やすいつくりとなっています。
動画も至るところに埋め込まれていて、長くても2分ちょっとでおさめられています。トップページには上部に4つのタブ=ブランド、ラインアップ、購入サポート、SUBARUで愉しむ=に分かれていて、すぐにアクセスできます。
ほかのメーカーのサイトですと、Aという車種を見たあと、比較するためにBという車種を見ようと思うと、いちいちトップページに戻って車種を選び直すことになりがちなのですが、スバルのサイトは常時、この4つのタブが表示されているので、異なる車種のページに容易に移動できます。
さらに、同じ車種の中でグレード別の金額を調べる場合でも、「グレード・価格」にカーソルをあてるだけで、全車種の簡単な説明と画像、税込み金額がポップアップされます。車メーカーの中でも車種が限られ、かつパワートレインも複雑ではなく、ほとんどがAWDなので、ほかのメーカーのようにページを分ける必要がない、ということはあるでしょう。

その分を差し引いたとしても、車種間、グレード間の移動が楽です。
また、車種間、グレード間の比較も容易にできます。これはすでに書いたことですが、スバルのサイトでは、スバル車と他社メーカーの比較すらできてしまいます(項目に制限はありますが)。
また車種別ページも非常に見やすくて、特に「スペック」は見やすいです。他社もあるにはあるのですが、PDF版に比べると大幅に細かいところは省略されていたしります。しかしスバルは、知りたいところはほぼ網羅され、かなり詳しいです。しかも上部に「視界」「シート」「内装」などのタブがあり、これをクリックすると、該当項目のところまで一気にスクロールされます。PDF版は拡大しないと、とても読めないくらい小さな文字になりますので、webで装備がチェックできることは、とても見やすく、検討のしやすさにつながります。

このように車選びという観点からしますと、非常に使い勝手がよいサイトのつくりになっています。

コンテンツの特徴としては、ユーザーの声が画像とともに多数、掲載されていることです。これもスバルのサイトの大きな特徴でしょう。

スバルへの注文

ここからはスバルへの注文です。

たとえばフォレスターにナビをディーラーオプションでつける場合、最低でもカロッツェリアの16万円からです。上は26万円です。ほかのメーカーですと10万円くらいから純正ナビとしての設定があるので、割高かなと思います。そのうえ、カロッツェリアの16万円のナビを選ぶと、センターコンソールのなぜか下部にしか付けられず、目線を落とすことになります。
これを回避するには、パナソニックなどのビルトインナビを装着するしかありませんが、ダイアトーンのもので25万円、パナソニックですと約28万円、これにETCユニットを加えると31万を超えてしまいます。
もう少し、エコノミーコースのものも用意してもらえないかと思います。


シートヒーターを選ぶと+423,500円?

購入対象としてスバルXVの1.6i-Lを検討したとします。車両本体価格は2,332,000円です。しかしヒートシーターはついていません。メーカーオプションで選ぶしかないのです。


ところが、スペック表だけみていたのでは、いくらなのかわかりません。他社の場合は装備表にオプションであることを明示し(たいていは「※+数字」)、装備表欄外に脚注的に「~は~とセットオプションで5万円」などと示されていますが、スバルはそうではないのです。スバルの場合、これは同社サイトの「見積もりシミュレーション」を使わない限り、わからないのです。

種明かしをすると、スバルは同じ車種でもグレードによって異なるメーカーオプション、正確にいえばメーカーオプションの組み合わせがいちいち異なり、金額も異なります。セットオプションとなっており、単独で選べるのはルーフレールくらいです。ではそのセットオプションの金額は、どのようにして調べるのかと申しますと・・・。

 

先ほどのXVの場合です。「見積もりシミュレーション」の「メーカーオプション」のページに進みますと、オプションが4種類から追加できるようになっています。
しかし・・・。シートヒーターは、キーレスアクセスや本革巻きステアリング、LEDランプ、クリアビューパック、運転席・助手席パワーシート、アイサイトセイフティプラス(運転支援+視界拡張)、さらにシートは革張りになるというセットオプションでしか選べません。423,500円の追加となります。

「シートヒーターだけほしいんです」といってもそうはいかない、それならアレもコレもいるでしょう、という押しつけ販売的になります。因みにトヨタですと、たとえばカローラツーリングの場合、最下位グレードをのぞく全グレードにOP設定があり、運転席と助手席にシートヒーターはステアリングヒーターとセットで選択でき(これは寒冷地では両方とも必要なので意味があるセットです)、価格は27,500円です。

 

レヴォーグではリヤゲートをオートでオープンする機能があります。他社はたいてい、バンパー下部に足をかざすことで、それがスイッチとなり、リヤゲートがあきます。しかしスバルは「スバルのユーザーは雪国の方も多いので、足で操作すると、荷物をもったまま片足立ちとなり、危ない」という配慮から、リヤゲートのスバルマークに手首などを近づけてオープンさせる仕組みになっています。
すごくきめ細やかな配慮だと感じました。

だからこそ、なぜ、降雪地帯のユーザーが多いことがわかっていながら、シートヒーターが標準でついていないのか(レヴォーグやフォレスターは前席は標準装備)。XVはそもそもFF設定がないわけですから、降雪地域=寒冷地で使用するユーザーが多いことはわかっていたはずです。ステアリングヒーターはOP設定すらありません。

百歩譲って、寒冷地以外でのAWD嗜好の方向けというのであれば、標準でないことは理解しても、シートヒーター単独のOP設定はあってもよいかと考えます。
確かにアイサイトの拡張機能などもつきますが、本革シートにもなりますが、これらがすべて抱き合わせ販売で40万超という設定は良心的ではありません。
メーカーによっては単品でOP設定があり、数万で収まります。また、装備表のところに金額の記載がないのも不親切と感じました。

XVについていえば、ヘッドライトがいまどきハロゲンで、LEDはOP扱いです。格下のライズですらLEDなので次の改良ではこの点もなんとかしてほしいと思います。

また最新のレヴォーグの上級グレードには、12.3インチのiPadみたいなモニターがセンターに”どかん”とついていますが、オートブレーキホールド(AVH)の設定が、このモニターを使ってでないとできません。エンジンを切るとリセットなので、都度、操作が必要です。AVHは、電動パーキングブレーキとセットで、物理スイッチのほうが圧倒的に使いやすいかと思います。


マイナス点と注文をつけたので、最後にプラスポイントに若干、触れておきます。

・新型レヴォーグのハンドルは静電容量式なので、軽く触れているだけで感知されます。これまでのトルク感応式はステアリングを握って圧をかけていないと「ハンドルを握っていない」と判断されてしまいます。これは高速などでアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)を使っているときなど、明らかに違ってきます。感圧式の場合は指を添えているだけではダメで、少なくてもハンドルを握っていることが求められます。

・アイサイトのACCの速度設定は1プッシュで5kmのプラスマイナスとなり、操作性が高いです。ほかのメーカーは1kmずつの上下で、長押しで10km上下、などという場合が多いです。実際のところ、1~3㎞刻みで設定したいということは少ないですから、このくらいの刻み幅のほうが実用的かと思います。

 

これでスバルのメーカー研究は終了です。

すべての回をお読みくださった方、本当にありがとうございました。