50代からの車選びとライフスタイル研究所

このサイトでは50代以上の方を対象とし、車選びとライフスタイルについて参考になりそうな情報をお伝えしていきます。運転歴35年以上で軽自動車からワンボックスまで9台を乗り継いできました。50代、60代ともなりますと車の選び方や働き方、日々の生活も変わってきます。人生100年時代ともいわれる成熟の世代を楽しく生きるためのクルマ情報やライフスタイル情報、私の考えや思いをエッセイ的にまとめていきたいと思います。

新車購入読本2023 シニア世代の車選び~後席ドアに注目!②

 


タントは3種類あった!

のっけから訂正で恐縮です。前回の記事(2/19)で「前々から不思議に思っていたのですが、軽自動車はなぜか2系統(かそれ以上)あります。タントはふつうのタント、そして「タントカスタム」・・・と書いたのですが、実はもう1系統、「タントファンクロス」という派生車種がありました。

上の写真は左から順に「タント」「タントカスタム」「タントファンクロス」です。

タントのライバル車種であるスズキの「スペーシア」も、「スペーシア」「スペーシアカスタム」「スペーシアギア」という編成です。順に「標準車種」「ちょっと見た目と装備豪華版」「アウトドアテイストに振ったちょっと内外装豪華版」といったところです。この順で車両価格も上がってきます。

あくまでアウトドア”テイスト”ですから、本気でオフロードを走らせてはいけません(そういう方はいないと思いますが(笑))。本格的にオフロードを楽しみたい方は、スズキのジムニー一択となります。そこまでではないが、もうちょっと、という方はスズキのハスラーダイハツのタフトあたりが候補となります。

たとえばタフトは、190mmという高い最低地上高、アプローチアングル※は27度、ディパーチャーアングル※は58度あり、未舗装路の傾斜がある所でも、顎をぶつけたり、お腹を擦ったりしにくいボディデザインになっています。

<※これら用語は以下のリンクなどをご参照ください>

話がそれましたので戻します。

そういうことで、最近の軽自動車は3系統ある車種もありますね、というお話です。このようにもともと標準とカスタムの2系統だった車種が、さらに系統を増やすほか、もともと単独系統しかもたなかった車種が、モデルチェンジを機に、別系統を設ける、というケースもあります。

ここで強引にもとの「スライドドア」の話に戻してまいります。

 

スライドドアのもう一つの選択肢

ダイハツ・キャンバスはテイストの異なる2系統に

これまでキャンバスは左側のタイプのみでした。したがって、名前はキャンパスのみ。可愛らしいデザインで、もっぱら女性ユーザーを意識していました。実際のところ、男性が乗るのはちょっと気恥ずかしい感じがします。

しかし、ここでキャンバスを取り上げたのは、理由があります。

 

これまでスライドドア車を軽で選択する際、どうしてもハイトワゴンと言われるタントやN-BOXのような背が高い車種からしか選びようがなく、全高が1700mm未満の軽では、スズキの「ワゴンRスマイル」(これもスライドドア)しかありませんでした。

スライドドアは欲しいけれど、高速を走ったときに横風の影響を受けるのは嫌だなと思う方には、このキャンバスやワゴンRスマイルは一つの選択肢でした。

しかしながら、両車ともにデザインがかわゆく、男性は選びにくかったのです。

そこにキャンバスの別系統、「ムーブキャンバス セオリー」が登場したのです。

2トーン仕様ではなく、外装色も落ち着いたカラーが用意され、内装もシックな感じになっています。

 

ムーブキャンバスセオリーGターボ ecoidle非装着車 FF 1,760,000円

電動パーキングブレーキ、オートブレーキホールド、前席シートヒーター (座面、背中)、オートクルーズコントロール(ACC)、レーンキープコントロール(LKC)、コーナーセンサー前後、SRSサイドエアバッグ(運転席/助手席)、SRSカーテンシールドエアバッグ(前後席)という装備です。運転支援、安全装備的には満足できるレベルです。2022年7月にフルモデルチェンジしました。

スライドドアについては、閉め終わるまで待たずにロックがかかる機能や、あらかじめセットしておくことで、買い物が終わって愛車に近づくと、自動でスライドドアを開けてくれる機能(ウエルカムドアオープン機能)はタント同様に備わっています。

車両価格は、前の記事で触れたタントのターボよりもお高くなっています。

サイズは全長3395mm、全幅1475mm、全高1675mm、エンジンは最高出力47kW/6400 、トルク  100N・m/3600となっています(ターボの数値、なお本記事では上記の順にエンジン性能を表記します)。全高はタントに比べて80mm低くなっています。

タントと同様にDNGAのプラットフォームを使っており、動画で拝見する限り、かなりこのDNGAの出来は良さげです。

 

ターボなのに燃費が自然吸気とほぼ変わらない

ひと昔前は、ターボと聞くと、燃費が悪い、というイメージがついてまわりました。

しかしタントなどのダイハツのエンジンは、自然吸気(ノンターボ)とターボの燃費の差は、WLTCの各モード(市街地、郊外、高速)で1.5kmくらいしか違いません。さらにホンダ(N-BOX)の場合はもっと差が小さく、1km未満です。

一般的にはターボのほうが燃費が悪いと言われていますが、軽自動車の場合はこうしてみると、カタログ数値上は気にならないレベルですし、ターボのうまい運転とノンターボの下手な運転では、ターボのうまい運転の方がが燃費がよくなることさえ起こり得るレベルの差かと思います。

 

N-BOX L・ターボ FF 1,778,700円

電動パーキングブレーキ、オートブレーキホールド、前席シートヒーター(ただし座面のみ)、オートドアロックのみ(ウエルカム機能はなし)、ACC、LKCつき、SRSサイドエアバッグ(運転席/助手席)、SRSカーテンシールドエアバッグ(前後席)、コーナーセンサー後(前はミリ波レーダー)とこちらも充実の装備です。

エンジンは 47kW/6000 、 104N・m/2600で、ダイハツのターボより低回転域でトルクが発生するエンジンとなっています。サイズは全長3395、全幅1475、全高1750と、これはタントとほぼ同じサイズです。

ACC等をタントに追加して装備をほぼ同等にして比較すると、N-BOXのほうが10万円くらい高いですね。

 

さて軽自動車はこれくらいにして、小型車で人気のスライドドアの車をみていきましょう。

 

トヨタ ルーミーカスタムG

前述のN-BOX Lターボの価格を意識して、小型車で探すとこの車が候補になります。おちろん、スズキのソリオや同バンデッド、ダイハツのトールも選択肢ですが、ここでは販売台数が多いルーミーをサンプルとします。ちなみにルーミーはダイハツ・トールのOEM車で、ロッキー(ダイハツ)とライズ(トヨタ)と同様、いわば兄弟車の関係です。

実際に大型スーパーの駐車場で本日、観察してみたところ、60代以上のご夫婦では軽のスライドドア車に次いでルーミーが多かったです。

価格は1,753,500 円です。しかしこのグレードでは、ACCはOPでも選べないですし、 電動Pもこのグレードは「なし」です。軽自動車のターボ車には標準ともいえるシートヒーターもつきません。また同様にこれまで見たきた軽にはあったSRSサイドエアバッグ(運転席/助手席)、SRSカーテンシールドエアバッグ(前後席)は50,600円のオプションとなります。ウエルカムパワースライド、ドアロック解除機能はあります。コーナーセンサー前後、もつきます。

エンジンは51kW/6000、 92N・m/4400と、トルクでは軽ターボのほうが上回ります。車体サイズは全長3700、全幅1670、全高1735 で、軽より約300mm長く、約200mmワイドです。

より装備の充実を望むのなら、顔つきが変わるカスタムや同ターボを選ぶことになりますが、価格レンジがさらに上がります。

 

軽自動車も高くなりましたが、こうして比べると、ルーミーあたりの中間グレード(カスタムまで含めたグレード展開の中でみると、という意味)と、軽自動車のターボがついて装備が充実しているタイプと、どちらを選ぶかは悩ましいですね。

軽自動車のほうが維持費も安いですし。室内高はどちらも同じくらいですので、あとは荷室の余裕と、室内の左右の広さ(運転席と助手席のくっつき具合)を優先する場合はルーミー、そこへのこだわりがないならこれまで見てきた軽自動車のターボタイプを選ぶことになるでしょう。

ルーミーはコンパクトカーといわれるヤリス、フィット、ノートあたりよりも、さらに全幅も全長も短いのですが、それでも軽自動車からの乗り換えの場合は、軽とはサイズ感が異なりますので、慣れるまでは気をつけたほうがよいかと思います。

 

もちろん、まだまだ選択肢はありますが・・・

スライドドア車はもちろん、これまで触れてきた以外にもあります。

その中で、車幅的にお勧めはホンダ・フリード日産・セレナで、これらは5ナンバー、つまり1695mmという車幅です。余談ですが、よくセレナは、かつてのステップワゴンやボクシー、ノアなどのように1700超にせず、5ナンバーで収めたな、と思います。フリードはフルモデルチェンジした後が見ものですが、「ちょうどいい」を継続するなら5ナンバーかなと推測します。それにホンダのカーラインナップでいえば、上のサイズはステップワゴンがありますし。このほかトヨタシエンタもスライドドアで全高はワンボックスタイプより低く、かつスライドドアです。

これらは、ここまで見てきた車種・グレードの価格帯では全く収まりません。金銭的余裕があれば当然、選択肢になるでしょうが、シニア世代にとって、車サイズが大きくなると、駐車場でそれなりにご苦労されている姿をお見掛けします。ましてハリアーなどに乘られていると、お隣が軽自動車であり、かつ空いている駐車スペースを探して駐車場内をグルグル回られている方もお見受けします。

 

あらためてお断りしておきますが、某地方都市でのお話です。こちらの地域のシニア世代といっても、下は60代から上は80代、ひょっとして90代?という方までハンドルを握っているという土地柄です。こうした地域でお買い物車も兼ねた車を選ぶ場合に、軽も含めたコンパクトカー、それもスライドドアを備えた車を選ぶとしたら、という前提で記事を書いてまいりました。

ディーラーの方とお話していますと、年齢とともにダウンサイジングされる方も多いようです。現代の軽自動車、それもターボ車は、ひと昔前の軽自動車のイメージとは全く違います。内装の質感も高く、安全装備も充実しています。取りまわりもしやすいです。選択肢を広げる一助となれば幸いです。

 

本日も当ブログにしては長い記事になりました。

最後までお付き合いくださり感謝申し上げます。