車選び:メーカーのこだわり~スバル③「アイサイトX」
本日はスバルが誇る先進テクノロジー、「アイサイトX」についてです。
通常のアイサイトと何が違うのか。
レヴォーグのGTと、アイサイトX搭載のGT-EXを比較していきましょう。
GT <3,102,000円>
<①アイサイト コアテクノロジー>
■プリクラッシュブレーキ ■前側方プリクラッシュブレーキ
■緊急時プリクラッシュステアリング ■後退時ブレーキアシスト
■AT誤発進抑制制御 ■AT誤後進抑制制御 ■ツーリングアシスト
■全車速追従機能付クルーズコントロール
■定速クルーズコントロール ■車線逸脱抑制 ■車線逸脱警報 ■ふらつき警報
■先行車発進お知らせ機能 ■青信号お知らせ機能 ■アイサイトアシストモニター
<②アイサイトセイフティプラス(運転支援テクノロジー)>
■スバルリヤビークルディテクション(後側方警戒支援システム)
■エマージェンシーレーンキープアシスト
■アレイ式アダプティブドライビングビーム
※アイサイトセイフティプラス(視界拡張テクノロジー、下記③参照)は11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ&インフォテインメントシステム、ドライバーモニタリングシステムなどとともにメーカーセットオプション
GT-EX <3,487,000円>
ここまではGTと同じです。以下がEXならではの装備となります。
<③アイサイトセイフティプラス(視界拡張テクノロジー)>
■デジタルマルチビューモニター(フロント/サイド/リヤ)
■前側方警戒アシスト
<④アイサイトX テクノロジー[高度運転支援システム]>
■渋滞時ハンズオフアシスト ■渋滞時発進アシスト
■アクティブレーンチェンジアシスト ■カーブ前速度制御
■料金所前速度制御 ■ドライバー異常時対応システム
「アイサイトX」といった場合、狭義では上記の<④アイサイトX テクノロジー[高度運転支援システム]>のことを指しますが、一般的に「アイサイトXがついている」といった場合は、上記の①~④すべてを含みます。
スバルの説明は以下のとおりです。
----------------------------------------
「アイサイトX」とは、全面的に進化した「新世代アイサイト」に「高度運転支援システム」を搭載したSUBARU最先端の安全テクノロジーです。GPSや準天頂衛星「みちびき」などからの情報と3D高精度地図データを組み合わせることで、自車位置を正確に把握。ステレオカメラやレーダーでは検知しきれない行く先々の複雑な道路情報まで認識し、新次元の運転支援を実現します。
----------------------------------------
アイサイトXのここが凄い!
■渋滞時ハンズオフアシスト■渋滞時発進アシスト
渋滞時、時速50km以下であれば、ハンズフリーが可能です。ハンドルに触れる必要もありません。だからといってスマホをいじっていてり、テレビを見たり、後席のほうを向いて家族と談笑してよいかというと、すべてNGです。
と申しますのも、常時、ドライバーのことはアイサイトの機能がある意味、監視していて、前を向いていないと警告されてしまうのです。
ですから、「ハンドルを保持していなくてよい」だけであって、脇見は許されないのです。前をぼーと見ながら、考えごとをするくらいは可能かと思います。
■アクティブレーンチェンジアシスト
私はこれが最も優れモノかと思います。レーンチェンジをする際、ウインカーを出せば、あとは勝手に車線変更してくれるというものです。もちろん、右後方などから迫ってくる車があるときは、アイサイトが判断して、危ないときはモニターに後続車がいることを示し、車線変更は行いません。
何人かの方がyoutubeにアップされているアイサイトXによる車線変更の動画を観ましたが、加速といい、追い抜き方といい、そして走行車線に戻ったときの流れの乗り方といい、極めて滑らかのようでした。アップされている方も異口同音に「自分がやるよりスムーズかも」とおっしゃっていたくらいです。
アクティブXを作動させると12.3インチのフル液晶メーター内に自車が走行しているレーンに加えて、ほかのレーンも表示されます。アクティブレーンチェンジはウインカー出せばあとは勝手にやってくれるのですが、ただし後続車あるときは、その旨の表示があって変更は行われません。車線変更しようと思う先のレーンに後続車がいると、例えば右に車線変更しよと思う場合は、自車を表すアイコンの右後方に白い扇形マークが現れ、後続車がいることを警告されます。
ミラーのところに後続車が迫っていることを示すフラッシュがでるだけでなく、メーター内に表示されるのでわかりやすく、ドライバーが状況を把握できるので安心感が増します。ドライバーのほかにもう一人のアドバイザーがいて、注意を促してくれるような感じかと思います。
車線変更時は、真横や、それに近いポジションに車がいると、ミラーで確認しても視認できません。最近の車は遮音性も高いので、隣に迫ってくる車がよほどの改造車でもない限り、エンジン音で気づくということも難しいです。そもそも電気自動車などは、そもそもエンジンのうなる音などありません。
実際にハンドルを切り始めて、すぐ隣に車がいた、という経験をされた方もいらっしゃるでしょう。こうしたリスクを回避する意味で有効な機能かと思います。
■カーブ前速度制御■料金所前速度制御
GPSや準天頂衛星「みちびき」などからの情報と3D高精度地図データを組み合わせによって、これまでのACCではできなかったことが実現できています。通常は速度を設定すると、先行車がいない場合、カーブであろうが料金所手前であろうが、ドライバーが操作しない限り、設定速度で突っ込んでいきます(先行車がいる場合は、その車を認識しますので、先行車の速度まで減速しますが)。
それがアクティブXの場合はカーブや料金所を認識して、適切な速度まで減速してくれます。そして、その箇所を過ぎると再び設定速度まで復帰するというものです。
実際にACCを使っていて、怖いと思うのは、通常のカーブではなく、インターやジャンクションでのカーブです。インターやジャンクションは限られた場所で設置されるため、カーブはきつめです。速度制限も40㎞というところもあります。初めてのところではカーブの度合いがわからず、最初は緩やかなRを描くため、ACCに任せていると、途中から急に鋭角になるところもあり、あわててブレーキを踏むはめになることもあります。
カーブ前、料金所前減速は100%ではない可能性があります。これはアイサイトXが地形を認識できているかどうかにかかわるからです。地図が読めているときは、液晶メーター内に表示される自車の両サイドのレーンが青のラインになります。
普通のアイサイトも優れモノ
アイサイトXまでいかなくても、通常のアイサイトもなかなかの優れものです。前側方プリクラッシュブレーキ:衝突被害軽減ブレーキは、前方のレーダーを活用、見通しの悪い交差点に進入するときに死角からの車の接近を知らせてくれるものです。
またステレオカメラの小型化、広角化、暗所性能も向上しているといいます。
9割以上の購入者がアイサイトX搭載車両を選んでいるそうです。
アイサイトX搭載車(グレードにEXとつくもの)とそうでないグレードの価格差は38万円です。
しかしEXでないグレードに11.6インチセンターディスプレイを含むセットオプションが258,000円ですから、理屈の上ではアイサイトXだけならば12万円くらいとうことになります(実際には258,000円のセットオプションは不要だからアイサイトXだけオプションで付けてください、という選択はできませんが)。
38万円はかなり大きいです。アイサイトX搭載車は、リセールもそれなりによくなるでしょうが、安全支援装備が日進月歩で進歩している昨今の状況を考えますと、5~7年後に中古で売却するときに、38万円高くとってくれるということはないでしょう。
今の私でしたら、②アイサイトセイフティプラス(運転支援テクノロジー)までで我慢して、③④のアイサイトX部分は、自身で対応しようかと思います。
本日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。