50代からの車選びとライフスタイル研究所

このサイトでは50代以上の方を対象とし、車選びとライフスタイルについて参考になりそうな情報をお伝えしていきます。運転歴35年以上で軽自動車からワンボックスまで9台を乗り継いできました。50代、60代ともなりますと車の選び方や働き方、日々の生活も変わってきます。人生100年時代ともいわれる成熟の世代を楽しく生きるためのクルマ情報やライフスタイル情報、私の考えや思いをエッセイ的にまとめていきたいと思います。

車選び:新型ヴェゼルの私的考察⑤「試乗編」

f:id:downsizer:20210703232022j:plainフィット4(GR系)の1年点検でディーラーに行った際、新型ヴェゼル(e:Hev、AWD,グレードはZ、ブラック)を街中、20分程度ですが試乗させてもらいました。

上の写真は、いただいてきたパンフレットの表紙です。

 

ファーストインプレッション

やはり「大きいな」という印象でした。車高の高さ、ホイール(18インチ)、ボディ同色フロントグリルなどが相まって、そうのような印象になったのだと思います。

パンフレットや写真、動画で見ていたとおりの印象でした。

 

運転席に乗り込んでみて

乗り込みは車高が高い分、体を沈めるということもなく、左足を入れて、お尻を座面にすっともってきて・・・という具合で、ごく自然な感じでした。動画によっては、Aピラーの傾斜によって、乗り込みにくさを感じた、というものもありましたが、それは感じませんでした。

①アイポイントが高い

アイポイントがフィットに比べて、当然ですが、高いというのが第一印象です。

動画では、フロントガラスの傾斜によって、運転席に乗り込むときに頭をぶつけないように注意する必要ありとのコメントもありましたが、それは感じませんでした。

②運転席と助手席の間隔が広い

実際の寸法以上に広く感じました(実際は外寸で95mm違うので、内寸はそこまでではないと思いますが、広く感じました。

③左右の見切り、前方のノーズの先端の感覚がつかみやすい

フィット4はスラントノーズで、先端がわかりにくく、左右もボンネットからは見えないのでミラーと車幅感覚が頼りでした。しかし、ヴェゼルは想像以上に見切りがよく、車両感覚はつかみやすかったです。

これなら左もぎりぎりに寄れるので、運転しやすい印象でした。

この点は以前、このブログでも注目点としてあげていました。

carselection2021.hatenablog.com

④内装の雰囲気がフィットに似ている

私のフィットの内装も黒で、試乗したヴェゼルも黒。ソフトパッドの使っている部分などもよく似ていて、ドアの取っ手の大きさやメーターパネルまわりは異なりますが、運転席に座った感覚はフィットと同じでした。

またフルオートエアコンのダイヤル式物理ボタンの数や配置も同じで(厳密にはヴェゼルのZグレードは左右独立調整機能があり、ダイヤルの役割は一部異なりますが)、全く違和感がありませんでした。

さらにハンドルとシフトノブも本革ですが、これもおそらくフィットと同じかと思います。右手でハンドルを触り、左手でシフトノブを握った左右の手の位置といいますが、腕の角度といいますか、これも全く違和感がなく、まるで自分の車の運転席に座ったかのような錯覚にとらわれました。

⑤サイドミラーも見やすい

これも動画の中には、ミラーがドアの付け根から生えているのではなく、Aピラーから少しだけ離れたところに付いている、いわゆる「フラッグ型」と呼ばれるタイプで、中には、「もう少し前(Aピラー寄り)のほうが見やすい」との指摘がありましたが、私は気になりませんでした。むしろ、Aピラーとサイドミラーの付け根にスペースがあり、そこが死角にならないので、安全確認はしやすいと思いました。

 

後席にも乗ってみました

後席にも乗り込んでみました。こちらの印象は、フィットと居住空間は変わらないな、というものです。どちらもリクライニングこそできませんが、足元空間は同じように広かったです。これも動画の中には、頭上空間や、クーペスタイルゆえの傾斜による圧迫感を指摘していたものもありましたが、私は気になりませんでした。

ヴェゼルのほうが全長は300mm以上長いのですが、これはフロントノーズや荷室に使われているように思いました。

乗り降りのしやすも、1回しかやっていませんが、「明らかに○○」という印象はありませんでした。

ただ、外から乗り込むときの後席ドアが目立たないようにCピラーがおりていったあたりにあるので、普通の車のドアノブの位置に比べると多少は操作しにくいなとは感じました。

 

荷室

荷室はフィットとは奥行も左右もサイズ的に大きく、いっぱい積めそうだな、と思いました。フィットは後席も広い分、荷室スペースがどうしても限定的になり、洗車用具など積んでいますと、買い物したものを載せるスペースがあまりとれず、後席が荷室のリリーフ役をやっているのが我が家の常です。

 

試乗してきた印象

試乗といっても20分程度ですし、道路状況的にもいきなりアクセルを踏み込むというわけにはいきませんが、運転したときの視界(見切り)、街乗りの加速フィールとブレーキフィール、乗り心地についてはなんとなくわかったような気がします。

視界

今回、試乗した道路の一部は、片道2車線でしたが、左側車線は歩道の柵ぎりぎりで走るような道でした。あえて右車線には移らず、左側方感覚のつかみやすさを試したのですが、乗りこんだときの印象そのままでした。そのほかの視界も特に気になるところはありませんでした。リヤウインドウが寝ているのでどうかと思いましたが、ルームミラーからはよく見えました。

アクセル、加速感

街乗りなのでそれほどはっきとはわかりませんでした。e;Hevの先入観があったからだと思いますが、思ったよりエンジンがかかるな、という感じでした。エンジン駆動というより、発電にためにエンジンが回っているようです。私はどちらかというとエンジンの音がしているほうが、車を運転していると感じるほうなので、エンジンが発電用途でまわっていることは全く気になりません。

ハイブリッドなのでその分、車重があるのですが、そのわりには停止からの始動もフィットのガソリン車(1.3L)に比べると、すっと出ていく感じでした。

ブレーキフィール

これもヴェゼル回生ブレーキの効きをパドルシフトで4段階に調整できるのですが、試乗車は一番緩いモードの設定だったと思います。ガソリン車のフィットのブレーキフィールと全く同じでした。

乗り心地

路面が荒れた道は、それなりに突き上げ感があります。これは18インチというタイヤのサイズ径と50という扁平率のタイヤによるものかと思います。しかしフィットも16インチの60なのですが、それなりにゴツゴツ感はあります。

評論家の方がおっしゃるように、どこまでサスペンション等の味付けによって変わるかは、そこまで繊細な感覚を持ち合わせていませんが、ホンダは全体的に堅めのセッティングかなと思います。小さな段差を乗り越えたとき、ゴツとした感じは座面に感じますが、すぐに収まります。

メーター類

ここはフィットと異なるところです。運転席前のメーターは、左は針が速度を指すアナログ表示、左がさまざまな情報を提供するゾーン(回生ブレーキの状況やエンジンとモーターの関係等)、そしてそれらの間にマルチインフォメーション的なエリアがあります。ここでもなぜかデジタルで速度表示がなされ、同じゾーンに標識認識機能が認識した標識が表示されます。

慣れの問題かとは思いますが、フィットのシンプルなメーターに慣れた身としては、ちょっとごちゃごちゃしているなと感じました。

操作感

ウインカーレバー等の操作性やブレーキホールドからの復帰の感覚など、これもフィットと全く同じでした。

 

全体的な印象、評価

よくも悪くも、”視界が高く、ちょっと広くなったSUVライクなフィット”という感じです。内装やスイッチ類含め、あまりにしっくりきすぎて、フィットから乗り換えても、内装的には「代り映えがしない」という印象でした。

もし車を次に乗り換えるなら、「おお、新しい車がきたぜ」という感触を持ちたいのですが、ヴェゼルですと、それはないと思います。本当に慣れ親しんだ感覚そのまま、という感じなのです。

 

冒頭で触れていませんが、シートもフィットから採用されたボディスタビライジングシートがヴェゼルでも採用されており、座った感じも、本当にしっくりきます。おそらく長距離ドライブでも腰痛などはでないでしょう(フィットで高速を3時間くらい走っても全く疲れません)

代わり映えがしないからダメか、となるとそうとも言い切れません。乗ってしまうとe;HevのAWDもいいな、と思ってしまいます。運転の安定性という観点からは操作も同じだし、ホンダセンシングも使い慣れているし(作動のクセみたいなものも含めて)、これはこれで「アリ」なのではないか、というもう一人の自分もいます。

 

問題は、やはり価格と装備のバランスです。

Zグレードとなると車両価格だけで312万くらいします。

最安値のガソリンGグレードですと2WDで228万円、これですとシートヒーターもステアリングヒーターもつかず、本革のステアリングやシフトノブもつきません。

ホンダの安全運転支援装置は、私としてはかなり気に入っており、そういう意味では、もし買い替える機会があるとするなら、スバルもマツダもいいけれど、やはりホンダも捨てがたいという心境です。

そうなりますと、最近、やたらと車種の整理が進行するホンダの中にあって、可能性があるならヴェゼルか、ということになります。あとは数年間のうちにどれだけ貯蓄ができるか、今よりも広い道に囲まれている家(現状では1790mmの車幅はかなり厳しい)に引っ越せるか、などがポイントになってきます。

 

今回、ディーラーの方が「もう一周して、少し踏み込んでみますか」という提案もいただいたのですが、点検が終わっていたことと、次の予定があったのでせっかくのお申し出を受けることができませんでした。また点検の折にでも試乗させてもらおうと思います。

やはり試乗とは良いものですね。数年間は買い替えの予定がなくて申し訳ないけれど、機会があれば新型フォレスターやCX-30あたりも試乗したくなりました。

 

一方で、試乗してくると、旅行に行ってそれなりのホテルに泊まって満足しても、家に帰ってくると「我が家が一番」というのと同じで、点検を終わって乗り込む愛車が、なんとも愛おしく思えてくるから不思議です。

 

本日もたわいもないお話にお付き合いくださいました方々、本当にありがとうございました。