車選び:新型ヴェゼルの私的考察③「ライバルはどれ?、総括」
新型ヴェゼルの購入を検討している方は、ほかのどの車種と迷うのだろうかと考えていみました。
身もふたもない言い方ですが「直接のライバルはいない」のではないかと思います。
ストロングハイブリッドのSUVを購入したい
上記の前提の場合、事実上、ヤリスクロスくらいしか車格的にも金額的にも対抗馬は見当たりません。RAV4やハリアーは、HVのエンジンが2.5リットルですし、サイズも一回り上になります。
となりますと、ヴェゼルを検討する人がヤリスクロスと「迷うか」という問題です。
サイズ的には若干ヤリスクロスが小さいですし、価格的に安い設定になっています。
しかし後席居住性や全体、特に内装の質感では差がありますし、4WDで比較するなら、プロペラシャフト直結で、発進時、登坂時にもすべての車輪が駆動するヴェゼルの方式のほうが、より本格的かとはと思います。
一方で、ヤリスクロスの外観、顔つきやプロポーションは、ヴェゼルを含め、ほかの車とは明らかに違うものになっており、そこが気にいる方もいらっしゃるでしょう。ヴェゼルはオーソドックスな優等生的な外観となっており、万人受けしやすい感じです。
しかしフロントグリルの車体との同色化もあって、いわゆるSUV的な外を好む方にとっては物足らなく思うかも知れません。
数値ではっきりするのは価格とWLTCモードでの燃費です。
前述したように、装備差などを考慮しない絶対的な価格でも、そして燃費でもヤリスクロスにはっきりと軍配が上がります。ハイブリッドを買う以上、燃費重視となれば、これも迷わないでしょう。
あるいは燃費ということだけではなく、これからの時代を意識して車選びをするというのなら、先端を行くEV、このクラスなら日産のキックスも比較対象車種ということになります。
ただキックスはもとより4WDの設定はありませんから、そこにこだわると選択肢にはなりません。またキックスは良くも悪くも内装が独特ですので、そこでも好き嫌いがわかれることでしょう。
SUVが欲しい
単にSUVということであれば、サイズ的、価格的には、C-HR、CX-3、スバルXV、(車格も価格も少し上になりますが)CX-30あたりが入ってきます。
それぞれ個性的であり、これも迷うことは少ないのではないかと思います。上記車種はCH-RをのぞけばHVといってもヴェゼルのようなHVではなく、そもそもCX-3はHVの設定がありません。
一方のヴェゼルもガソリン車となるとGグレードしかなく、「予算的に厳しい方はこちらをどうぞ」という設定となっています。
私ならヴェゼルのガソリンGを買うなら、ヴェゼルに備えている安全運転支援システムがすべて付いているうえ、380度ビューモニターやシートヒーター、ステアリングヒーターもつき、ステアリングも革巻きとなるCX-3 15S Urban Dresser(特別仕様車)を選ぶかなと思います。
まとめ
ということから、冒頭に触れましたようにヴェゼルの「直接のライバルはいない」ということになるのかと思います。コンパクト車ですと、フィット、ノート、ヤリスは世の中でもライバルと言われていますし、一応の比較対象にはなるかと思います(とはいえ、私としては、各人の優先順位によって自ずと決まるように思うので、これらも本当のライバルとは言い難いかとは思います)。
ヴェゼルのデザインを見て、気に入った方は、多少予算よりも高くても、なんとか工面して購入しようとするでしょう。また「ヴェゼルに乘るなら、やっぱりe:HEVを選んでこそ、良さがでるよね」とお考えになる方も多いかも知れません。
ホンダの三部新社長は会見で「「先進国全体で、EV、FCVの販売比率を2030年に40%、2035年には80%、そして2040年にはグローバルで100%を目指します」と宣言している以上、ホンダにおいては、ガソリン車は日陰の存在になっていきそうです。
HVのSUVということであれば、今年中にリリースが噂されるカローラクロスが価格的にも性能的にもヴェゼルと真っ向勝負の存在になるかも知れません。
ホンダユーザーである私としては、ホンダのクルーズコントロールとレーンキープアシストの精度の高さは満足しているし、ワイドビューカメラも夜間でも自転車を的確にとらえてくれているので、ヴェゼルは気になるところです。
ただ、車幅が20mm拡大されたことと、HV完全シフトで車両価格が上がってしまったことで、選択肢にはなりにくくなりました。
ガソリン車のラインナップも充実しているヤリスクロスが、マイナーチェンジで内装や装備を見直してくれるか(後席の居住性は割り切るとして)、これもマイチェンで5ナンバーのライズに電動パーキングブレーキが備わってくれれば、そちらに興味があります。
ライズがあれだけ売れているだけに、ホンダやスバル、マツダがライズの対抗車種を開発してくれないものかな、とも思います。ライズやルーミー、ヤリスが販売ランキングの上位にくるのは、やはりサイズ、全長と全幅に制限があるユーザーがそれなりに存在していることを意味します。
かつて5ナンバーだった車種が続々と3ナンバー化し、さらにフルモデルチェンジのたびに肥大化していく中で、”本当の”コンパクトSUVがもっと開発されることを願っています。
本日もお読みくださり、ありがとうございました。