50代からの車選びとライフスタイル研究所

このサイトでは50代以上の方を対象とし、車選びとライフスタイルについて参考になりそうな情報をお伝えしていきます。運転歴35年以上で軽自動車からワンボックスまで9台を乗り継いできました。50代、60代ともなりますと車の選び方や働き方、日々の生活も変わってきます。人生100年時代ともいわれる成熟の世代を楽しく生きるためのクルマ情報やライフスタイル情報、私の考えや思いをエッセイ的にまとめていきたいと思います。

車選び~車関連の記事に注意

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今日はタイトルに悩みました。

きっかけは紙媒体のビジネス誌も発行している出版社のサイトの記事です。

車をよく知らない方がこれを盲信して、さらに車選びの参考にしたら間違うかも、と思ったことがきっかけです。記事の内容を問題形式にしてみました。

 

<問題>次のうち、確実に正しいといえるものはどれでしょう?

①2020年度、販売台数でフィットはヤリスにダブルスコアの差をつけられた

②ホンダは「心地よさ」を優先して低燃費の追求を二の次にしたことが失敗(販売が伸びずにヤリスに差をつけられている)の要因だ

WLTCモードの燃費を、ハイブリッドモデルで比較するとリッター当たり6㎞以上の差があるにもかかわらず、車両価格はほぼ変わらない

④このクラスのクルマを購入する顧客は燃費に敏感な人が多い。車内空間の広さをアピールするなら、より安価で維持費も抑えられる軽自動車の『N-BOX』に多くの顧客が流れるだろう(記事中における某大学の客員教授のコメント)

 

<解答と解説>

答えは③です。以下は解説です。

① ×

一見、正しいように見えますが、フィットと比較している以上、コンパクトカーのヤリスのことを言っています(燃費の記事等からも明らかです)。

日本自動車販売協会連合会の統計をもとにしていますが、このヤリスには「ヤリスクロス」と「GRヤリス」が含まれています。最近では、ヤリスクロスがヤリスの販売台数を抜かす勢いです。細かな数字は省略しますが、2020年度の比較でも、コンパクトカーの「ヤリス」とフィットを比べたとき、フィットがダブルスコアをつけられている、というのは間違いです。

 

② ×

「心地よさ」を追求して、あえて燃費の数字にこだわらなかったことは事実ですが、「失敗の要因」というには根拠が弱すぎます

 

③ 〇

199万円台のハイブリッドモデル同士を比べると、その通りです

 

④ △

「だろう」という憶測なので、これについて〇×はつけられません。

そうかも知れないし、そうでないかも知れない、ということです。

 

参考にするなら車系サイトの記事

こうした経済系ビジネス誌のサイトの記事を鵜呑みにするか方がいるかどうかはわかりません。ただ、経済関連、ビジネス関連の記事は確かなものが多いだけに、ふだんから読み慣れている人は、いわゆるハロー効果で、「いつもの記事も信頼できるから、この記事も信用できるだろう」ということになるかも知れません。

上記④は、雑誌やサイトのずるいところで、地の文(記者自身が書く)を避けて、それなりに権威がありそうな人に語らせるわけです。

まず①の段階で、この記者は車の統計のからくり(ヤリスといえばSUVのヤリスクロス等も含まれる)を知らないということ、②から、こんな軽々しく失敗の要因を断定できてしまうということは、ご本人は車そのものにはさして関心がないし、ヤリスもフィットも乗り比べたことはおろか、スペック等の比較もしたことはないだろうと思ってしまいます。

もちろん、「たくさん売れている車がよい車、それが車選びの重要ポイント」というなら、「ヤリス」にカウントされるうち、コンパクトカーのヤリスはどのくらいの割合か、ということも調べたほうがよいでしょう。

今は上位にきませんが、「カローラ」といったら、現行型、ひとつ前のアクシオ、同フィルダー、現行型のカローラスポーツカローラツーリングまで含んでしまいます。ハッチバックからワゴン、セダンまでごった煮です。余談ですが、投入が噂されるカローラクロスまで含めるとSUVタイプまでそろうことになり、どれがどれだけ売れているのかわからなくなります。

 

ここまで書いてしまったので勢いで書きます。

・フィットは後輪もディスクブレーキ、ヤリスはL&T

・フィットは4気筒、ヤリスは3気筒

・フィットは電動パーキングブレーキ、ヤリスは手引き式

・フィットはACCは停止保持機能あり、ヤリスは同機能なし

・フィットは標識認識機能あり、ヤリスはなし

・フィットはヘッドレストはセパレート、ヤリスは一番上のグレード以外は一体型

 

全体的な価格設定ではフィットのほうが高めかと思いますが、上記の差を考慮すると、ほとんど実質的な価格差はないように感じます。

 

こうした点は、車系のサイトや車雑誌を発行している社のサイトは、さすがにきっちり抑えています。

 

雑誌もサイトもそれぞれ、専門分野のところは信頼性が高いと思いますが、専門外で車のことを扱うときは、きちんと取材して、事実をおさえていただきたいと思います。

今は、カーボンニュートラルだとか、電動化だとか、自動運転などというテーマで、いろいろな媒体が車のことを取り上げています。そのこと自体をどうこう言うつもりはありませんが、中には適当な記事もありますから、読者のほうが真贋を見極める力が求められそうです。

 

<おまけ>

上記④について、私の憶測です。

空間の広さを求めるからといって、フィットとN-BOXを天秤にかける人は少数で、まずコンパクトカーか、軽自動車を決めてから車種を選ぶ方が多数派かと推察します。

 

本日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。