50代からの車選びとライフスタイル研究所

このサイトでは50代以上の方を対象とし、車選びとライフスタイルについて参考になりそうな情報をお伝えしていきます。運転歴35年以上で軽自動車からワンボックスまで9台を乗り継いできました。50代、60代ともなりますと車の選び方や働き方、日々の生活も変わってきます。人生100年時代ともいわれる成熟の世代を楽しく生きるためのクルマ情報やライフスタイル情報、私の考えや思いをエッセイ的にまとめていきたいと思います。

車の選び方~もしも、のときに強い車とは?

f:id:downsizer:20210311212538j:plain


車選びのときの一つの観点として、「衝突したとき・されたとき」どれほどキャビン内にいる人間はダメージを受けるのか、その度合いが低い車を選びたい、ということがあるでしょう。

このときに役立つのが公的機関の衝突実験です。
以前の記事でも紹介した独立行政法人自動車事故対策機構の試験と、その結果が公開されています。

車対車のいろいろな衝突パターンだけではなく、歩行者に衝突したときに歩行者の受けるダメージも計数化して評価に加えられています。もちろん、歩行者に与えるダメージが少ないほど高得点となります。

これらの結果が詳しく掲載されているのは、自動車事故対策機構作成;『衝突安全性能評価』という冊子(ネット上ではPDFで入手可能)で、ここでは2020年3月までの衝突試験結果が載っています。

www.nasva.go.jp

年度によって試験や評価が変わるので、年度またぎの比較はしずらいのですが、現在であれば2018年度、2019年度に販売された車で2020年3月までに試験ができた車種については、同一の尺度で比較することができます。

衝突安全性能といっていますが、歩行者と衝突したときの歩行者の頭部等に与えるダメージなども項目として加味されています。詳しくはこの記事の最後に概要を載せてありますので参照ください。

●試験の内容で興味深かったこと

その①
最近は乗員が運転席は男性、助手席は小柄な女性、というように、実際の乗車を想定してダミー人形も細かく変更され、よりリアルな結果がでるように努めていること

その②
ダミー人形は、フルフラップとオフセットは同タイプなのですが、側面衝突と後面衝突頚部保護性能試験については、それぞれ専用のダミー人形が用いられていること

その③
衝突スピードも実際に近い感じがすること。前面衝突は、実際の事故では双方が衝突するので、双方のスピードの合計ということになります。試験では、固定してあるコンクリートに時速55kmなどで衝突させます。
実際は正面衝突する場合でもブレーキはお互いに踏むでしょうから、それぞれ25~30kmくらいに減速した状態でぶつかる、という想定かと思います。

●試験結果で興味深かったこと

結論としては5スターはSUVでも軽自動車でも獲得していること。
車体が大きい車=衝突に強い車とは必ずしもならないこと。

●試験結果ベスト5

同じ試験が行われた2018年度、2019年度の中で、ベスト5を挙げます。いずれも5スターです。
フォレスター 96.5
①クラウン   96.5
③エクリプスクロス 89.7
RAV4 88.9
N-WGN(カスタム含む) 88.7

興味ある方はぜひ、同機構のHPにアクセスしてみてください。
なお、衝突安全性能評価の試験内容は以下のとおりです(国土交通省自動車事故対策機構作成;『衝突安全性能評価』より試験方法の部分のみ一部抜粋して引用)


乗員保護性能評価
(1)フルラップ前面衝突試験
この試験では、運転席と助手席にダミーを乗せた試験車を、時速55kmでコンクリー卜製の障壁(バリア)に正面衝突させ、衝突時のダミーの頭部、頚部、胸部、腹部(助手席に限る)、下肢部に受けた衝撃や室内の変形をもとに、乗員保護性能の度合いを5段階で評価しています。

(2)オフセット前面衝突試験
この試験では、運転席と後部座席にダミーを乗せた試験車を、時速64kmでアルミハニ力ムを装備したバリアに運転席側の一部(オーバーラップ率40%)を前面衝突させ、衝突時のダミーの頭部、頚部、胸部、腹部(後部座席に限る。)、下肢部に受けた衝撃や室内の変形をもとに、乗員保護性能の度合いを5段階で評価しています。

(3)側面衝突試験
この試験では、原則として、運転席にダミーを乗せた静止状態の試験車の運転席側に、質量1,300kg※の台車を時速55kmで衝突させます。そのときダミーの頭部、胸部、 腹部、 腰部に受けた衝撃をもとに、乗員保護性能の度合いを5段階で評価しています。なお、この試験は、大人の男性を模擬したダミーで試験を実施しています。
この試験は、1,300kg※の車が車の側面に衝突したことを模擬しています。

(4)感電保護性能評価試験
(電気自動車及び電気式ハイブリッド自動車のみが対象)

(5)後面衝突頚部保護性能試験
この試験では、後面衝突を再現できる試験機を用い、運転席又は助手席用シートにダミーを搭載し、衝突された際に発生する衝撃(速度変化、波形等)を与えます。そのときの頚部が受ける衝撃等をもとに、頚部保護性能の度合いを5段階で評価しています。
この試験は、同一質量の自動車が停車中の自動車に時速約36.4kmで衝突した際の衝撃(速度変化時速20.0km)を再現したものです。

歩行者保護性能評価
(1)頭部保護性能試験
人の頭部を模擬したダミー(頭部インパクタ)を衝撃装置により試験車のボンネット等に向けて時速40km(自動車の衝突速度は時速50km相当)で発射させ、衝撃点における頭部の傷害値を計測して、頭部の傷害の程度を5段階で評価しています。
この試験は歩行者が車に衝突し、歩行者の頭部がボンネットやフロントガラスに衝突したことを模擬しています。
なお、2015年度までは、時速35km(自動車の衝突速度は時速44km相当)
で実施しています。
(2)脚部保護性能試験
大人の男性の脚部を模擬したダミー(脚部インパクタ)を衝撃装置により試験車のバンパに向けて時速40kmで発射させ、衝撃点における膝部や脛部の傷害値を計測して、脚部の傷害の程度を5段階で評価しています。
この試験は車が歩行者に衝突し、歩行者の脚部がバンパ等に衝突したことを模擬しています。


シートベルトの着用警報装置
試験では、当該装置の作動要件(警報の種類、タイミング及び表示位置等)を確認し、その程度に応じて5段階で評価しています。