LAGARについての一考察
すでにご存じのように、サッポロビールがファミマとの共同開発商品である写真の缶ビールを、いったんは販売中止としたものの、世間の温かいご意見などによって一転、発売することにしたという。
よかった。
中身に何ら関係ない部分、またラベルの一部とはいえ、一見してほとんど気づかないくらいの文字の大きさ。皆さんはわかりますか?
サッポロビールほどの大会社が、ここに至るまで気づかなかったのか、という疑問と、会社の規模に関係なく、人間がやることだから、やっぱり間違いだってありますよね~という、なんとも微笑ましい感じ、そして「こんなものは商品として発売してはならない」という謹厳実直な、いかにも日本企業らしい側面とーーというように、いろいろな感想が浮かんできました。
おそらく、このスペルミスは最初のデザイン案のときからあったのではないか、と推察されます。その後、色合いだとか、全体のバランスだとか、文字のフォントだとか、といったミクロのほうに入っていって、誰もスペルチェックなどしたか、しないかのレベルだったのかな、と思います。
あまりに慣れ親しんだスペルで、だれもEがAに化けているなんて思ってもいなかったことでしょう。というのも、私にも似たような経験があるからです。
不思議なもので、何度チェックしても、思い込みなのか間違いに気づかずにスルーしてしまう。おそらく、何人も、いや二桁にのぼる社内外の人の目に触れたと思いますが、それでも気がつかない。なんとも人間らしいな、と思ったりもします。
今回はファミマとの共同開発商品とのことなので、発売中止にするのも、やっぱり発売することに決定するのも、サッポロが単独で発売するときの倍の手間もかかったことでしょう。さぞや面倒くさかったことと思います。
いずれにせよ、販売することになったわけだし、思わぬ広報宣伝効果もあったわけで、当該責任者の方はさぞかしほっとされたことでしょう。
すごい話題性ですし、このスペルミス缶は限定品となるので、ファミマで発売されると買いに走られる方も多いのではないでしょうか。私も通勤途中のファミマで買いそうです!
これぞまさに「災い転じて福となす」の典型ですね。
そして人間とは、間違いをおかすもので、それは誰にでも起こり得ること。
"To err is human, to forgive divine." 「過つは人の常、許すは神の業(わざ)」といいます。私はこの言葉が好きです。これまでいろいろ間違ってきましたから。
かつての上司は言ってくれました。「仕事をたくさんするから間違いも起きる、仕事をしてなきゃ間違いも起きない」。
サッポロビールにこの言葉を送りたい。
「丸くなるな、星になれ」