kindle本発刊体験記⑦「校正とフォルダの整理」
テキスト原稿を用意することと、これをでんでんコンバーターのルールにのっとって見出しや画像の挿入、リンクの挿入などを加えるところまでを、これまで書いてきました。
一つ、飛ばしてしまったことがあるので、それを今日は書きます。
前回はでんでんコンバーターのルールに従って##などの記号を入れるときに間違わないように、ということに触れたのですが、そもそものテキスト原稿が日本語として正しいか、いや、普通は正しいはずなのですが、PCで急いで入力していくと、どうしてもキータッチの関係で誤入力があったり、誤変換があったりします。
誤変換は、「普通はこういう漢字に変換されるよね」というある種の思い込みがあるので、簡単な漢字ほど誤変換されたことに気づかずにいます。
今もこうして入力していても「かんじ」と打つと「漢字」と変換されるだろうと9割以上思っているのですが、このPCではなぜか「感じ」が最初の変換候補となります。これまでの入力履歴からPCが「はいはい、かんじって『感じ』ってうちたいのですね」と勝手に解釈しているのだと思います。
ワードの校閲機能を利用する
誤変換、誤入力に気をつけるとはいえ、過ちをおかしてしまうのが人の常というもの。また自分のタイピングを過信していると、半角英字混じりのおかしな日本語になっていたり、脱字があったりもします。
こればかりは不思議なもので、自分で書いたり入力した文章は、上記のようなミスに気づきにくく、他人が書いた文章は、すぐに気がついたりするものです。自分で書いたものは、頭でわかっているので、いくら目で追っても、どこか読み飛ばしてしまうのだと思います。
そこで活用したいのがMicrosoftのワードの「校閲」の機能です。
テキスト原稿が出来上がったら、まず、この校正機能を使ってチェックします。すべての校正が終わってから、でんでんコンバーターで電子書籍のファイル形式に変換します。
ワードを立ち上げ、そこにテキストをコピペして流しこみます。目的は文章の間違いやご入力を確認するためですので、この際、改行などは気にしません。
一番上のタブの「校閲」をクリック。一番右の「スペルチェックと文章校正」をクリックします。何も指摘箇所がなければ「文章校正が終わりました」と表示されますが、2万字以上くらいの原稿ですと、何カ所かは指摘されます。指摘事項の中には「助詞の連続」などというものもありますが、前後のセンテンスからみて特に読みにくくなければ無視しています。
ワードの校正機能を使っての修正は、いちいちテキストファイル形式の原稿に立ち返って直すのではなく、ワードファイル上で修正を行っていきます。
表記のゆれもチェック
表記のゆれとは、「電動パーキング・ブレーキ」と書いたり、「電動パーキングブレーキ」と書いたりするなど、表記に統一がないことを言います。
これもワードの校閲機能を使っていると、最後のほうで指摘されます。
知らず知らずに何種類もの表記をしているときは、ここでワードの「置換」機能を使って、統一するほうの表記に全置換を行います。
すべてのチェックが終わったらテキストファイルで保存
ワードファイル形式のままではでんでんコンバーターに流しこめませんので、ここで再びテキストファイルにして保存します。前のファイルと区別するために「校正済」などの単語や、マイルールで定めた記号(私の場合は●)をファイル名に付けると間違わなくなります。
文字数のカウントも
専用のソフトもあるようですが、ワードに流しこめば文字数はカウントしてくれます。これは電子書籍を発刊するときに大いに役立ちます。
検索機能も使える
ブログの記事をもとに書き下し原稿を加え、それらの順番を入れ替えたり、コピペしたりしているうちに、「これはどこかでも書いたよな」ということに気づき、しかしすぐには、それがどのあたりの章だったかを思い出せないというったこともままあります。
こうしたときもワードの機能は使えます。
みなさんもすでに仕事で利用されているかと思いますが、そのキーワードを入れて検索をかければ、自分であやふやな記憶を頼りに探すより、何倍も速く探しだすことができます。
フォルダの整理についてのヒント
こうしてワードファイルも登場しますと、テキストファイル、図表、写真など電子書籍の原稿に関連するファイルの数が増えます。今後、触れますが、「でんでんコンバーター」を使って電子書籍スタイルに変換すると「EPUB」形式のファイルもつくられます。
こうして自分のフォルダの中には、どんどんファイルが増えていきます。
私はテキスト原稿は更新したものはもちろんですが、一つ前のヴァージョンも保存してあります。万一、誤って最新ファイルを消去してしまっても、ゼロではなく、前回からのやり直しで済むからです。
お勧めは発行する電子書籍ごとにフォルダをつくり(これを以下「親フォルダ」といいます)、そこには最新のものを日付入りのファイル名をつけて保存しておきます。そして一つ前のヴァージョンは、親フォルダの下位のフォルダとしてlogと名前とつけたフォルダに移動させていきます。
こうして電子書籍のフォルダをあけたときには、常に最新のファイルが保存されている状態をキープします。テキスト原稿のほかに前述のワードフィルも念のため、保存しておきます。こちらも最新のもののみで、一つ前のヴァージョンのものはlogフォルダに移します。
これにより、最新版でも少なくてもテキスト形式、ワード形式の二種類のファイルが保存されますから、せっかく書いた原稿消失、というような事態はかなり防げます。
最後にアップロード用のフォルダを作っておく
最終的にkindleにアップロードするためのEPUB形式(文字原稿と図表、写真等を一つににまとめたもの)、それにkindle本の表紙画像を格納するためのフォルダ(赤字部分は10/13修正)を、親フォルダの下に適当な名前を付けて作成します。こうしておくと、アップロードのときに、このフォルダの中にあるものすべてがアップロード対象となるので、間違いませんし迷いません。親フォルダの中にこうしたアップロード用のファイルを混ぜておいてしまいますと、いざアップロード用の作業を始めたときに、いちいち神経を使って正しいファイルを探しださなくてはならなくなるからです。
次回はいよいよ「でんでんコンバーター」を使って電子書籍用原稿を作成し、kindleに登録するまでを書く予定です。
※このところ本業の関係で更新間隔が長くなってしまっています。ご容赦ください
本日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。