50代からの車選びとライフスタイル研究所

このサイトでは50代以上の方を対象とし、車選びとライフスタイルについて参考になりそうな情報をお伝えしていきます。運転歴35年以上で軽自動車からワンボックスまで9台を乗り継いできました。50代、60代ともなりますと車の選び方や働き方、日々の生活も変わってきます。人生100年時代ともいわれる成熟の世代を楽しく生きるためのクルマ情報やライフスタイル情報、私の考えや思いをエッセイ的にまとめていきたいと思います。

軽自動車という選択肢~体験的リアル~

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ホンダのN-WGN

ディーラーの方のお話ですと、最近は普通車(ここでは道路運送車両法上の小型自動車普通自動車を称して「普通車」といいます;以下同)から軽自動車にダウンサイジングする人も少なくないそうです。今日は、巷いわれている軽自動車のメリット、デメリット以外の部分について、自らの体験を交えて語っていこうと思います。

最後までお読みいただければおわかりになると思いますが、全面的に軽自動車をお勧めしているわけではありません。

軽自動車とは

普通車にしか乗ってこなかった方にとっては「黄色のナンバーがついているやつ」くらいの認識しかないかもしれません。

サイズを含む制限のことや税金の優遇などについては、下記サイトが普通車と軽自動車の違いがよくまとまっているかと思います。

 

「燃費は?維持費は?性能は?」普通車と軽自動車の違いを初心者向け解説 - クルマのわからないことぜんぶ|車初心者のための基礎知識|norico(ノリコ)

 

50代以上の方で普通車に乗っていて、買い替えを検討される方の多くは、車選びをするときに、最初は軽自動車を視野に入れていないかもしれません。私もそうでした。
これまで普通車に乗っていますと軽自動車は小さいし、走らないし、危いのではないか、と思っていました。しかし、ある事情から軽自動車を検討し、購入することになりました。実際に乗ってみての感想を交えて、軽自動車についてお伝えしていきます。

安全装備は普通車を凌駕する車種も

まず、最新の軽自動車はすごく進歩していると言うことです。エンジンの排気量や、ボディーサイズは規制がありますので、一定の範囲を超えることはもちろんできません。しかし今、最も重視されることの1つである安全性能については格段の進歩を遂げています。

例えば2019年夏にフルモデルチェンジをしたホンダのN-WGN(エヌワゴン)です。この車の安全性能は予防安全性の評価と言われるもので最高ランクを獲得しています。

 また「セイフティーサポートワイド」に該当しています。65歳以上の方にはサポカー補助金(70,000円)の対象車種ともなっています。このN-WGNにレス仕様をのぞいて標準装備される、いわゆるホンダセンシングは最新のものになっています。


0キロまでの渋滞追従機能付きACC (アダプティブクルーズコントロール)も付いていますし、電動パーキングブレーキも付いています。また、オートブレーキホールド機能も備わっています。これが一番下のGというグレードでは、1,298,000円で買うことができます(FF)。

※メーカーよってはグレードで安全装備に差がある場合もあるので、確認が必要です。

 

つまり安全性能だけを考えるならば、最新の軽自動車を選べば、少し前の普通車よりも優れた安全性能を有していると言うことにもなります。
また年齢を重ねると、どうしてもモノが見えにくくなったり、車両感覚が掴みにくくなることもあるでしょう。そうしたときに軽自動車の前幅は1500ミリもありません。一般の乗用車ですと、ルーミー(トヨタ)やソリオ(スズキ)などでも1650ミリ程度、5ナンバーギリギリでは1695ミリの全幅の車がほとんどです。この20センチほども幅が狭いという事は、取り回しにおいて極めて楽に運転できます。


また全長は3メートル半ほど、ホイールベースも2メートル半ほどのため、最小回転半径は4.5メートルくらいです(4WDはもう少し大きいですが)。この全幅が狭くて全長も短いと言う事は、狭い道での取り回しや、駐車場での駐車が楽になると言うことです。また広い道であっても、大型車やトラック、バスなどが来て左側ギリギリに避けなくてはならない場面であったとしても、普通車に比べますとそれほどストレスを感じることなく、左側に幅寄せをすることができます。

 

どこまで予算をさけるか

後は、どこまでお金をかけることができるかと言うことになります。わかってはいても、軽自動車にそこまでお金をかけるか、と言う気持ちになることはあります。
まず自然吸気エンジンならともかく、ターボエンジンを選べばそれだけで金額は上がります。ターボを選んだ時点で、先程の場合ですと170,000円ほど、同じグレードであっても高くなります。

また地域によっては4輪駆動を選ぶ場合もあるかと思います。この場合は、前輪駆動に比べ、同じくN-WGNの場合ですと140,000円ほど車両価格が高くなります。


次に安全装備以外の室内の装備についてです。これは特定の車軽自動車に限ったことではありませんが、1番下のグレードと、最上位グレードでは、内装の質感や、室内の装備品がいろいろ違ってきます。

外装についても、いわゆる鉄チンホイールからアルミホイールへと変わりますし、タイヤサイズもインチアップされます。またヘッドライトなどもハロゲンランプからLEDライトへと変わります。

これはどこまで車にお金をかけるかと言う価値観ともつながってきます。単に移動の手段、下駄代わりで「走れば良い」と言うことであれば、最低限必要な機能が備わっている車種やグレードを選べば良いでしょう。

しかし私もそうですが、通勤にも使うようになりますと車の中にいる時間はそれなりに増えます。そうしたときに室内で目に触れるものや快適な装備、ドアやダッシュボードの質感といった点は、いやがおうでもでも目につきますし、そこに乗っている自分に対しての満足感にもつながります。

 

個人的な体験を申し上げますと、週末ぐらいにしか車を使わなかった時代は、車を買うときにほぼ中間グレードのものを選び、そこに必要と思われるオプションだけを追加したという買い方をしていました。通勤に使うようになって、最初に買ったのが軽自動車です。

この時もこれまでの買い方の同じようにベーシックグレードを買い、予算は4輪駆動を選ぶほうに使いました。助手席シートヒーターなど、必要な装備のみオプションで追加しました。

しかし、次にもし、軽自動車を買うときにはターボ付きの上位グレードを選ぼうと思った次第です。

軽自動車のリアル

それでは、軽自動車(ターボでない自然吸気=NAのエンジン)に乗っていて不満がないのか、ということについて触れたいと思います。

 

まず市街地、街中の走行についてです。1人で乗っている分には、ほぼ問題はないと言えると思います。ただ緩やかな上り坂が続いたり、短い区間であってもある程度の勾配がある所では、どうしてもアクセルを強めに踏まなくてはいけません。

そうしますとエンジン回転は3000回転以上になることもあり、遮音性の問題もあるかと思いますが、エンジン音がうるさく聞こえます。これも慣れの問題でして、そういうものだということで気にしなければ、気にならないかもしれません。しかし助手席に人を乗せたときに、エンジン音の高さを指摘されたことがありました。だからどうだと言うことでは無いのですが、やはり人を乗せたときには、そのように感じるのだなぁと言うことを思いました。


軽自動車は車重が軽いですので、エンジンが自然吸気のエンジンであっても市街地で走行する分にはさして不満はありません。ただ私の乗った車の感じでは、普通車よりもブレーキの効きが少し弱いようにも感じました。この点はメーカーや車種によっても違いがあるかと思いますので、ぜひ試乗して検証してほしいと思います。

 

次に一般道ではなく高速道路についてです。これが、私が軽自動車から現在のホンダ・フィットに買い換えた最大の理由でもあります。車を買う際に、同じ車種のターボ車にも試乗しました。やはり明らかにNAとの違いはあったのですが、車両価格の差を考えたときに、それほどまで高速を使う事は無いだろうと思いノンターボ車にしました。

高速道路を使うなら・・・

しかしその後、コロナが蔓延し、電車での移動よりも、車の移動の方が多くなってきました。この時に高速道路を片道200キロ以上の距離を走ることになるのですが、ノンターボの軽自動車ですと、どうしても非力感を感じてしまいました。

別に高速道路で飛ばすわけでは無いのですが、サービスエリアやパーキングエリアからの合流の時や、高速道路に乗ったときの本線への合流等の際に、いくら踏んでも速度の上昇が鈍く、本線を走ってくる車の前に入るのか後ろに入るのか悩ましい時も1度や2度ではありませんでした。

最初は普通車の感覚がありましたので、ある程度アクセルを踏み込んで、後方から迫ってくる走行車線にいる車の前に入って合流しようと考えたのですが、本線を走っている車が追い越し車線に移ってくれなかったり、スピードを落としてくれなかったりしたときに、きわどい合流になるようなことがありました。

そのため、それ以降は安全を期して高速道路への合流の際、走行車線を走ってくる車が追い越し車線に移ってくれないような場合には、迷ったときは必ず合流車線で相手の車を先に行かして、その後に入るようにしました。ただ、この場合も本線を走っている車が多かったり、私の車のあとに本線に合流しようとする車が続いている場合などは、それほど余裕がある合流にはなりません。

 

また無事に合流できて本線を走っている場合であっても、上り勾配に差し掛かった時、周囲に走っている車の速度が速いと、登坂車線に入って後ろの車をやり過ごすということもありました。まあ登坂車線とはそのためのものなのですが・・・。

夜間の走行などで先行車に近づいてみると、前を走っているのが大型のトレーラーなどですごくスピードが遅かった場合(たいていは上り勾配なのですが)、追い越し車線で抜かしたいと思うわけです。しかし、いちど80キロ以下に落ちてしまったスピードを、追い越し車線を走る程度にまで速度を上げるためには、よほど後方にまで目を配り、追い越し車線を速いスピードで走ってくる車がいないことを確認し、相当の余裕を確認してからでないと、追い越しすることが難しかった場面がありました。

できればターボを選びたい

今後、もし私が再び軽自動車に乗り換えるようなことがあったとき、そしてその時に高速を走る可能性があるときには、間違いなくターボ車を選ぶと思います。

ただこうしたエンジンの出力の問題だけではなく、軽自動車特有の問題もあります。高速道路で走行車線を走っていて、追い越し車線をかなり速いスピードで追い越すトラックなどの大型車両がいた場合、ある程度の風圧を感じますし、車のサイズの違いから、やはり、ちょっと怖さがあります。

また、トンネルの出口などで風が強い場合、車重やホイールべースの短さ、全幅が狭いことなどがあいまって、N-WGNのような通常のワゴンタイプであっても風の影響は受けやすかったです。人気のハイトワゴンタイプの場合、前述の条件に全高の高さが加わりますので、さらに影響を受けると思います。

とりあえず軽自動車も候補にいれてみる

細かくは別の記事で触れますが、例にあげたN-WGNのL・ターボ Honda SENSING(FF)の価格は150万1200円。最新のHonda SENSINGには及びませんが、安全運転支援システムであるスマートアシストの第三世代(SAⅢ)を備えたダイハツのブーンという車種は、ノンターボですが排気量1000CCで、ほぼ同じ値段で買えます(グレードはXG SAⅢパッケージ)。

軽自動車でターボを選ぶ代わりに、排気量が大きい普通車を買う、という選択肢も出てきます。

初期投資では上記のように普通車でも視野に入ってくる車種はありますが、ランニングコストも考えると、軽自動車ならではのメリットとして、税金の安さ、そして高速料金の安さという点も見逃せません。最近はコンパクトの普通車でも安全装備の充実などにに伴って価格は上昇傾向にあり、これは軽自動車にもあてはまるのですが、とはいえ200万円くらいまでを予算として考えるならば、やはり軽自動車のほうが選択肢は多いといえるでしょう。

 

予算を気にしなくて済むなら別ですが、普段の乗車人数が一人か二人の場合、車を購入する際には、軽自動車もとりあえず検討候補として挙げ、気になる車種があれば試乗してみてはいかがでしょうか。これまで一度も軽自動車に関心をもたなかった方は昔の軽自動車のイメージしかお持ちでないと思います。しかし今、販売されている軽自動車は、想像以上の進歩を遂げていると思います。