50代からの車選びとライフスタイル研究所

このサイトでは50代以上の方を対象とし、車選びとライフスタイルについて参考になりそうな情報をお伝えしていきます。運転歴35年以上で軽自動車からワンボックスまで9台を乗り継いできました。50代、60代ともなりますと車の選び方や働き方、日々の生活も変わってきます。人生100年時代ともいわれる成熟の世代を楽しく生きるためのクルマ情報やライフスタイル情報、私の考えや思いをエッセイ的にまとめていきたいと思います。

「考える運転③」~危険回避のドライブ術

前回の記事から1ヶ月近く空いてしまいました。

今回は前回までの2つの記事を踏まえて、「考える運転」の真髄に迫ってみたいと思います。

 

これまでの2つの記事で「考えない」運転について検証してきました。

①「他者(車)のことを」考えない(他車が迷惑することを考えない)

②「リスクが高まることを」考えない(自車も他車も危険度が高まる)

③上記の①と②の両方

 

上記の①から③を端的に表すことはできないか、それには「何を」考えるのが、「考える運転」になるのかーーを考えていました。

 

そう、それは「次の展開」であり「起こり得る未来のできごと」を考えること=予測しながら運転することーーが「考える運転」なのだという結論に達しました。

自分の運転において選択肢がある場合、その中から一つを決定する根拠は、「その選択を行った場合、次にどのような展開になるか、どのようなことが起こりえるか」を頭の中でリストアップして、最も安全の確率が高いものを選ぶということに尽きるかと思います。

 

過去の記事で取り上げていないケースで具体的に説明してみます。

 

■本日のケーススタディ

あなたが片側2車線の高速道路の左側、走行車線を走行していたとします。

やがて左側からインターから入って本線に合流しよとしている自家用車が見えてきました。

このとき、選択肢以下の3つです。

1)追い越し車線に移る

2)走行車線のまま、速度を上げて合流しようとする車の前に出る

3)走行車線のまま、速度を落として合流しようとする車を入れてあげる

 

このときの判断の材料以下の3つです。

①合流しようとしている車の性能、ドライバーの運転技量

②走行車線における自車の前後の状況

③追い越し車線の状況

 

このうちで最も簡単なのは、追い越し車線に車がおらず、走行車線を走行しているあなたの車の前後にも車がいない、という状況です。

単純に追い越し車線に移ることが、最もリスクが低く、安全度は高くなります。

 

しかし、追い越し車線に車がいなくても、行車線を走行しているあなたの車の前後に車がいた場合は、考える要素が一つ増えます。

それはあなたの前後の車も追い越し車線に移ることを考えるからです。こうなるとどの車が早くウインカーを出して車線変更の意思を示し、行動にでるか、という話になります。残念ながら、車線変更のときも、車線変更前からウインカーを出さず、ハンドルを切り始めてからウインカーを出す輩もいるので、前後の状況については最後まで目が離せません。

 

確実なのは、合流があるとわかった時点(PAやSA、インター、ジャンクション付近)で、追い越し車線に車がいなければ、いち早く車線変更してしまうことです。合流しようとしている車を目視してからではなく、です。

これも「予測しながら運転すること」です。

 

また、あなたの前後の車が、どのような運転をする車かを、観察しておくことも必要です。

たとえばあなたの前を走る車を後ろから見ていたとき、ドライバーと助手席の人がよく会話していたり、顔を見合わせたり、モノを食べていたり・・・などのケースです。

あるいは一人乗車であっても、頭がよく動いたり、左手で空調やオーディオ、ナビなどを頻繁にいじっているようなドライバーも上記のケースと同類です。

 

どう「同類」なのかというと、明らかに「運転に集中していない」からです。

こうした輩は合流車線で合流しようとする車への意識が希薄で、発見も遅れがちです。こうした集中力を欠いている車の後ろにいると急ブレーキを踏まれたり、後方をよく確認しないまま慌てて追い越し車線に移ろうとして追い越し車線を走っている車からパッシングされて動揺し、ふらついてみたり・・・とロクなことはありません。

 

自分の前を走る車の様子を後方から確認できますが、自車の後ろを走る車はどのように判断すればよいでしょうか。

 

私の場合、常に後方は見ています。直後の車の車種や近ればドライバーの人相風体も観察しています。いつから後続車になったか、以前の後続車とどこで入れ替わったかも観察しています。

こうした過程の中で車線変更のやり方や速度の維持加減(一定速度か、早くなったり遅くなったりしていないか)などを観察し、技量を判断しています。

 

車種での判断は難しい

車種は国内外問わず、正面からはほぼ100%、リアをみただけでも8割くらいは判別できるのですが、「この車種だからこういう運転だろう」という推測はなかなか難しい面もあります。

 

片側3車線の高速の中央分離帯より、追い越し車線をかっ飛んでいく海外メーカーや国内高級ブランドのセダンやクーペなどはイメージどおりであり、わかりやすいものです。

しかし中にはスポーツタイプの車であっても走行車線をゆったりと巡航している車もあり、そうした車をみるとゆとりを感じるといいますか、「格好いいな」と思います。

 

SUVは排気量は大きいのでしょうが、車重もあるので俊敏性に欠けます。車内も広いでしょうから、いろいろなものを積んでいる場合も多く、ルーフボックスも積んでいると空気抵抗も相まって、加速には時間がかかるようです。

 

逆に侮れないのが軽自動車です。

もちろん二人乗りのスポーツタイプの車種は、速いのはわかっています。ターボもついていて、なにせ軽量ですから・・・。しかし通常のワゴンタイプの軽自動車でもターボ付きで、一人乗車の場合は、なかなか侮れません。

追い越し車線に移る際、「後ろは軽だから、このくらいの距離があれば楽勝で追い越し車線に移れるだろう」と思ってウインカーを出した途端、入られるのが嫌なのか、猛然と加速して距離を詰め、入るのを阻止するような行動に出られたこともありました。

 

高速上での運転技量を測るモノサシ

あくまで高速道路上で、という前提ですが、前後等の車の運転技量を測るモノサシとして、私は「一定の速度で走っているか」を目安にしています。「一定の速度」であれば、速くても遅くても構いません。予測が立ちやすいからです。

しかし週末のほうが多いのですが、いわゆるサンデードライバーなのか、私の車をすごい勢いで追い越していったかと思うと、少し先ではその速度の緊張感に耐えられなかったのか、ガクンと速度を落としてトラックと一緒に走っていたりします。

私は一定の速度では走りたいので、その車を抜き去り、そして走行車線に戻ります。すると、例の車が、またまた息を吹き返したかのように追い越し車線をかっとんでいきます。

こうした車は、市場に多く出回っている車種の場合、色ならずナンバーまでも記憶しておき、その後の危険回避に役立てるようにしています。

 

車社会を生き抜くには

残念ながらハンドルを握る人の中には、考える運転ができる人と、できない人がいます。

そして「車社会」と言われるように、それらが道路上では一緒にミックス状態になります。車にかぎらずですが、他人を変えることはできません。まして車の場合、その状況で一緒になる前後左右の車は、その時点限りで、再びご一緒する確率は極めて低いのです。

ゆえに自ら周囲の車などの状況をよく観察し、その技量なども予測し、そこに道路状況等(「このカーブは途中からさらにカーブがきつくなる」「このあたりは道路反対側の店の駐車場から、しばしば右折で目の前に車が入ってくることが多い」など)を加味し、危険を予測しながら運転するしかありません。

 

運転は専守防衛です。

 

本日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。