50代からの車選びとライフスタイル研究所

このサイトでは50代以上の方を対象とし、車選びとライフスタイルについて参考になりそうな情報をお伝えしていきます。運転歴35年以上で軽自動車からワンボックスまで9台を乗り継いできました。50代、60代ともなりますと車の選び方や働き方、日々の生活も変わってきます。人生100年時代ともいわれる成熟の世代を楽しく生きるためのクルマ情報やライフスタイル情報、私の考えや思いをエッセイ的にまとめていきたいと思います。

ACCの実際(安全運転支援装置)

f:id:downsizer:20210101090019j:plain

1)ACCとは

安全運転支援装置の一つで「定速走行・車間距離制御装置」を意味するものです。この装置の呼び名は各社それぞれでして、「アクティブ・クルーズ・コントロール」という名称を用いているのがスズキ、BMW、「アダプティブ・クルーズ・コントロール」としているのがホンダ、フォルクスワーゲンボルボです。同じAでもアクティブとアダプティブという異なる単語が使われています。

そのほかのメーカーは、レーダークルーズコントロールトヨタマツダ、三菱)、インテリジェントクルーズコントロール(日産)、全車速追従機能付クルーズコントロール(スバル)などとなっていますが、一般的には「ACC」と言われることが多いようです。JAFのホームページでもACCという呼び方をしています。

jaf.or.jp

ドライバーが設定した速度まで車が自動的にスピードを上げて前の車と一定間隔(これはドライバーが設定する)を保持しながら走行するもの。設定速度より前を走る車が遅くなれば自動的にブレーキ操作が行われ減速されます。そして設定した車間が維持されます。逆に設定速度よりも前の車が早ければ自車は設定速度を維持しているので前の車との車間は開いていくことになります

■ACCでも全車速対応のものとそうでないものがある

ACCでも全車速追従式のものは、例えば高速で100キロで走行していて(ACCの設定も100キロ)、やがて前方で渋滞が発生しているときは、前の車に合わせて次第に速度が落ちていき、やがて自動で停車してくれます。このときに自車が電動パーキングブレーキが備わっている場合はそのまま停車が保持されますが、たとえばトヨタ・ライズのZグレードは全車速対応のACCですが、電動パーキングブレーキではないため、ドライバーが停止状態となるようにブレーキを踏み続けるか、ハンドブレーキを引くことが必要です。

また全車速対応でない場合は、一定速度以下になるとドライバー自身でアクセルとブレーキ操作が必要です。

2)ACCを実際に使ってみて

我が家の車は2020年に発売になった4代目ホンダ・フィットです。全車速追従式で電動パーキングブレーキを備えています。以下は実際にACCを使ってみての印象です。

まずACCを使うシーンですが、私は高速道路で使っています。月に1度ほど、片道200キロ以上走行することが常なのですが、そのときにACCとレーンキープアシスト(別の機会に取り上げます)を使っています。

これらを使っているときとそうでないときは確実に疲労感が違います。走行車線を走っている分にはほぼ自動運転の間隔です。ハンドルを保持していないとディスプレイにハンドルを持て、との警報がでますが、ハンドルさえ軽く持っていれば、カーブであってもレーンに合わせて自動でハンドルをきってくれますし、スピードが一定に保てるので、操作ではなく前方・後方、そしてサイドの車の動きに注意を払うことに集中できます。

■自分で操作する場面もある

万能とも思えるACCですが、実際にはいくつかの場面では自分で操作することがあります。

①先行車の速度が一定でないとき

先行車が主に勾配などの関係で遅くなったり速くなったりするときは、ACCのままですと、こちらもそれに合わせてブレーキがかかったり、エンジン回転が上がったりとぎくしゃくした運転になってしまいます。

私はできるだけ速度を一定に保って運転したいほうなのので、こういう場合は追い越し車線にでて抜き去ります。

②渋滞の場面

渋滞などで先行車が停車するような場面では、ACCに任せずに自分でブレーキ操それと渋滞の場面などで先作を行います。メーカー「によって異なるかもしれませんが、ACC任せですと自分で操作するよりも先行車に接近してからブレーキをかけるので、特に停車する際は多少、強めのブレーキ操作となります。これを避けるため、高速で先行車が30キロくらいまで速度が落ちた段階でACCをハンドルのスイッチで切るか、ブレキーキを軽く踏み、ACCを解除します(フィットはブレーキを踏むと解除される)。

③きついカーブがあるとき

これは高速のジャンクションなどでカーブが比較的きつい場面をイメージしていただくとよいかもしれません。たとえばACC設定が90キロで、たまたま先行車がいないとき(ゆえに設定速度を維持しようとする)、ACCは直線もカーブも見分けがつきませんから、そのままの速度でカーブに進入しようとします。本能的にブレーキを踏んで(この時点でACCは解除)減速します。

こうした点を解消したのが昨年秋に発売されたレヴォーグの一部のグレードに標準搭載された「アイサイトX」です。衛星と連動したGPSでカーブ手間であらかじめ減速してくれます。ただアイサイトXは勝手に設定できるわけではなく、車が速度域などを判断してアイサイトXの対応が可能と判断するとディスプレイ内に表示し、それに呼応してドライバーがアイサイトXのスイッチを押すと作動が始まるというものです。

このアイサイトXは一定条件下でのハンズフリー(手放し)走行も可能になっていて、大変優れたシステムとなっています。

※もっと詳しく知りたい場合は<スバル、アイサイトX>で検索するとスバルのHPが出てきますし、その中で動画の説明があります

●スバル・レヴォーグのアイサイトX搭載グレード

グレードに「EX」とつくものがアイサイトX搭載です。最安のものでも、リニアトロニックAWD メーカー希望小売価格 3,487,000円(消費税10%込)となります。このブログでは250万円くらいまでの車をターゲットにしているので、当分は”自前の”アイサイトX(つまりは自力でなんとかする)で頑張るしかなさそうです

 

④追い越し車線に出て走行車線の車を抜くとき

ACCの設定速度が95キロのとき、走行車線を走っていて先行車が85キロくらいまで速度が落ちたとします。追い越し車線に出て抜き去りたいのですが、ACCをいれたままですと走行車線にいるときは85キロで走行している先行車に追従してしまうので、自車も85キロで走行しています。ここでウインカーを出して追い越し車線に出るのですが、ACCはここで先行車がいなくなったことを検知、一瞬の間をおいて設定速度である95キロまで加速を始めます。

このとき、追い越し車線で後ろから迫ってくる車がなければACC任せでもよいのですが、たいていは120キロ以上くらいで猛追してくる車がいたりします。もちろん十分な余裕をもって追い越し車線に出るのですが、ACCが「先行車がいなくなった、設定速度まで加速しなくちゃ」と考える間に、後続の車がイメージ以上に迫ってくるということがあります。

こうしたシーンでは、今はいったんACCを解除して、自力で走行車線で少し加速、その勢いで追い越し車線に出てさらに加速して抜き去り、その後に走行車線に戻って再びACCを作動させます。

ひとたびACCを解除すると再び設定するのが大変ではないかと思われますが、それは簡単です。解除といっても根本的な解除と、いわば一時休止のような解除があり、後者の場合ですとハンドルのボタンを一つ押すだけでもとの設定に復帰します。

3)まとめ

私は高速でのみACCを使っていますが、これにより細かな速度コンロトロールが不要であり、レーンキープアシストも併用することで、半自動運転が実現します。速度が一定であること、後方や前方に意識を集中できることから疲労感は明らかに軽減します。

ただ、前述しましたように、カーブの手前、追い越し時、合流時、料金所付近はすべて手動に切り替えて運転しています。

私のように停車するようなときは自分でブレーキ操作をする場合、全車速対応でなくても下は30キロくらいまでの対応でもよいかもしれませんが、たまたま何かに気をとられていて先行車の停止に気づくのが遅れても、全車速対応であれば最後は自動で停止してくれるので、やはり全車速追従型のACCをお勧めします。