高齢者の事故とその対策について考える
巷ではその年齢の高さもあって、97歳男性の事故が話題になっています。
経過とともに、車庫入れなどに苦労していた等の近隣住民の声も報道されるようになりました。家族はタクシー利用を勧め、タクシー会社と話しを進めていた矢先の事故だった、との報道もあります。
加害者のことに目が向きがちですが、まずはこの事故によって命を落とされた女性の方とそのご家族のことを思わずにはいられません。一瞬にして妻や母を失ったご主人や小学生の2人のお子さんのことを思うと、どれほど深い悲しみであるか、想像だにできません。
いつもハンドルを握る者として、あらためて車は人の命を奪う凶器にもなり得るものだということを、毎日のエンジン始動前に確認する必要があると思い、今日から実行しようと思います。
なぜ高齢者には危ない運転が多いのか?
もちろん身体機能の衰えはあると思います。ただそれ以上にどうしても「我先に」という気持ちが強かったり、「相手を先に通して自分は待つ」という我慢ができないことが大きいという感じを受けます。
これは地方都市で毎日運転し、そして周囲は高齢者マークをつけた車に囲まれることが多い私の実感です。
そして通常の走行においても、レーンの中央を走ることができない(どちらかに寄る)、カーブではインコーナーに入り、ラインを踏む、周囲の流れと合わせた速度調整が苦手、といった特徴が見受けられます。それとほかの車の速度を判断する能力が落ちていると感じます。
これにより、無理なタイミングで脇道やお店から道路に出てきてしまい、こちらはブレーキを踏んでかなり減速しなくてはならなくなります。私の地域では、相手にブレーキを踏ませること前提で無理な車線変更してきたりすることは年齢に関係なく皆さんされがちなので、高齢者に限った話ではありませんが、高齢者の場合は出てきたあとも加速が遅く、私の後続車はイライラして無理な追い越しをかけてくる、といった場面もあり、危険度が増します。
地方都市では免許返上は簡単ではないことは下記の記事にも書きました。
carselection2021.hatenablog.com
家族が説得してもなかなか聞き入れてもらえないことも多いようです。
それでも池袋の事故を契機に、連日のように、高齢者の事故が報道されるようになると、そうした方の中でも返上を考える人は増えてくるのだと思います。事実、私の家の近くにもかなりの高齢で、しかも杖をついている方が運転されていたのですが、この夏、ついに返上されたみたいで車もなくなり、タクシーを利用している姿をお見掛けしました。
被害者の方にとっては、こうした報道は事故を想起させ、苦しい気持ちになってしまうので申し訳ないのですが、高齢者やその家族にとっても免許返上を決断するきっかけになるのだと思います。
そして上に引用した記事にも書いたのですが、認知検査等だけではなく、レーンの中央を走行できるか、適切に左折、右折ができるかといった実技試験を一定年齢以上に採用することで、加害者も被害者も減らせる一助になると思います。
運転するには免許がいります。運転することを許されているわけです。それは一定の知識と技量が伴っているからこその話です。技量の衰えは自分ではなかなか認めたくないでしょうし、家族から返上を勧められても、自身にその自覚がなければ素直には従えないでしょう。
やはり第三者によって「免許の更新は不可」とされる仕組みが、さらに進む高齢者社会には必要である気がいたします。
本日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。