アイスモナカとスーパードライ、そして米国自動車販売台数について
今日はまず、本日の日経新聞のコラム「ヒットのクスリ」から面白い記事があったので紹介したいと思います。森永製菓のチョコモナカジャンボというアイスクリームを皆さんは召し上がったことはありますか。
国民一人あたり1.5本は食べている!
えっ、私はそんなに食べていない、という方も当然、いらっしゃいますね。大丈夫です、あなたが食べていない分は、ほかの誰かが食べてくれています笑。年間の販売数は1億8000万。
この記事自体は気象予測を活用して販売を伸ばしている商品について紹介しているのですが、私が着目したのはチョコモナカに隠された奥深い秘密です。
皆さんはチョコモナカを食べた時に、表面の最中の皮のすぐ下に、パリと言う感触を必ず感じていると思います。そしてさらに噛むと、アイスクリームの真ん中にも板チョコのようなものが入っています。この食感と口の中に含んだときのアイスクリームとチョコレートとモナカの絶妙のハーモニーがなんとも味わい深く、他のアイスクリームでは決して感じられないものだと私は思っています。
この表面の最中のすぐ下に薄いチョコレートで、白いアイスクリームがコーティングされているわけなのですが、これは単に食感とか味を良くするためだけではないということを知りました。
実は鮮度を保つためでもあったのです。アイスクリームをいきなし表面の薄い最中でくるんでしまいますと、中のアイスクリームと混じってしまい、サクッとした食感ではなく、少し湿った感じになってしまいます。
アイスクリームの水分が最中に染み出てしまって食感を損なってしまうことを防ぐために、森永製菓ではモナカの裏側にスプレーでチョコレートを塗ったのです。これによりアイスクリームの浸透を極力防いで、表の最中の食感をそのまま維持することに努めたといいます。
冷凍食品だけど鮮度が命
そもそも冷凍食品ですから、そんなことは気にしなくてもと思うのは素人の浅はかさのようでして、この商品では冷凍食品といえども鮮度がとても大切だといいます。
鮮度を保つためには消費者に2週間以内に食べてもらうことを目標に置いたそうです。こうしたこだわりの販売戦略によって約20年間も右肩上がりの成長を続けてきました。
ここで気象データの話が出てきます。森永製菓が気象データを販売計画に組み込んだのは2017年です。アイスクリームですから当然、秋冬に比べて春夏の需要は大きくなります。欠品をださないためにある程度作り置きが必要になりますけれども、必要以上に作ると在庫がだぶつき、鮮度が落ちてしまいます。そこで気象データを活用したマーケティングで、どのくらい売れるそうかという需要予測をします。
これによって適正な生産量を維持し、消費者が食べるときの鮮度を守っているということです。
気象データの活用で売り上げアップ
日経の記事では気象データを活用して効果的に視線を打っているということについても触れています。2015年を100としたときの2020年の販売量は、他のアイス菓子では95にとどまるのに比べ、チョコモナカジャンボは148と、1.5倍もの売り上げを達成しています。これも気象データを有効に活用した販売戦略の賜物と言うわけです。
昨日ウイスキーのお話をしたのですが、今日はビールのお話もしていこうと思います。
泡立つ缶ビール
発売は4月なんですけれども、アサヒビールは缶ビールの蓋を開けると泡が自然と立ち上がる「スーパードライ生ジョッキ」という商品を発売することを発表しました。
これも宅飲みの需要を狙って開発したものだそうです。普通の缶ビールですとプルトップをひいたときに飲むとなるところだけが開くようになります。しかしこの生ジョッキ缶は、上部の全面が、パカッと開いて、まるでグラスに注いだように、ビールの泡が缶の上部を覆うと言うものです。
細かな仕組みが分かりませんが、缶の内側に細かい凹凸を設け、泡が立つようにしたとのことです。ビールの中身はスーパードライと同じです。スーパードライは2020年、飲食店向けの販売量が前年に比べて4割減ったそうですが、家庭向けの缶ビールは2%と微増ではありますけれども、大きく落ち込むこともなく堅調に推移しています。
こうしたことからさらに家で飲むシーンを想定して缶ビールのラインナップを充実した模様です。このスーパードライの記事は読売新聞の記事をもとに作成しました。
缶ビールでお手軽でいいのですが、家で飲むときはそのままですと泡立ちがないので、グラスに注いでいました。まあ、これはこれでうまく泡が盛れたときは、ちょっとした満足感が得られたのでよいのですが、この新製品の泡立ちがよければ、そのまま飲んでしまうかもしれませんね。
ここでいきなりですが、米国での車販売の話
飲み物のお話が続きましたので、最後に車のお話をしたいと思います。
これは日経新聞の記事からです。全米自動車ディーラー協会が今月6日に発表した2020年のアメリカでの新車販売台数は前年に比べて14.7%減少、14,460,000台だったそうです。2021年は、まだコロナの影響が続くと見ており、15,500,000台程度にとどまると予測しています。通年での前年割れは2年連続となります。
アメリカフォード・モーターは2020年の販売は前年比16%減少の2,040,000台と発表しました。すでに実績を発表しているGMと、フィアットクライスラーオートモービルズを合わせた3社合計の販売は15%減の641万台となります。残りはトヨタ自動車など日本のメーカーなどです。日本車6社の合計は17%の減少となりました。
本日もとりとめもないお話にお付き合いくださり、感謝いたします。