「考える運転②」~危険回避のドライブ術
前回の記事からの続きです。
逆説的ですが、「考える運転」を考えるときに、「考えない」運転とは何ぞや?を検討してみました。
①「他者(車)のことを」考えない(他車が迷惑することを考えない)
②「リスクが高まることを」考えない(自車も他車も危険度が高まる)
③上記の①と②の両方
結果的には③になるのですが、今回は②のケースについて考えてみます。
<ケース1:赤信号での進入>
「赤はとまるでしょ」と思っている方、交通量の多い都市部で運転する機会が多い方なのだと思います。道路が渋滞気味ですと、突っ込みたくても進行方向には車がぎっしりなので、青でも進めないくらいなのですから・・・。
ところが地方都市では様相が異なります。走っているときの速度は首都圏都市部よりもかなり速いですから、速度がのっているときには簡単にはとまれません。もちろん、そのために黄色があるわけなのですが、交通量が全体的に多くない地方都市では、青と同等の解釈になります。
黄色の後半で突っ込めば、交差点の中心あたりで間違いなく赤に変わりますし、なぜか地方に多い慣習なのですが、前の車にピタッとついていけば(トレーラー的に2台1組的な発想)許されるような感覚があるようです。
通常の赤信号での進入でも十分に危険なのですが、「直進赤、右折信号青」のケースで、直進で突っ込まれると、右折車と衝突の危険があります。にもかかわらず、突っ込んできます。右折車側がいったん踏みかけたアクセルから瞬時にブレーキペダルに踏みかえるので衝突が免れているだけという状況です。
ひとたび赤になると2~3分待つような交差点では、それがわかっていて次の青まで待ちたくないので、こうした無謀な信号無視が横行します。
<ケース2:側道からの飛び出し>
車を運転していて、左側の側道から自転車がふらっと現れて「ひやっ」として経験をお持ちの方も多いことでしょう。自転車はスピードも出ておらず、大きな道にでるときにとまらずとも、小さく曲がれば「OK」と本人は思っているわけです。そして「小さく」曲がったつもりになります。
ところが車からみれば、直角に曲がれるはずはなく、自転車はふくらんで左側に突然と現れます。たいていはふくらんだ後、左側に寄ってくれるのですが、自転車が出てくることなどは予見していないので、びっくりするわけです。
これが自転車でなく、自動車でも起こります。
地方は高齢者の運転も普通に多いので、必ずしも高齢者に限らずですが、左側から「ひょっこり」出てきます。全く確認を怠っているとしか思えません。
自転車は左に寄れますが、車が直角に曲がるときには、それなりに速度が落ち、直進車の行く手をしっかりとふさぎます。
かたや優先道路を走っている車は50~60キロの速度です。側道から出てくる車と距離がないときは急ブレーキになります。
<ケース3:車を斜めにした右折待ち>
右折レーンがない交差点での右折待ち、交差点以外での右折待ちの際、ハンドルを切って、車を斜め右に向けた状態で右折待ちする方がいます。
右折車がいる側のレーンの後続車にとって、この車がまっすぐに停まっているなら、左側の路肩を活用して、ぎりぎりで、すり抜けられるかもしれません。
しかし、右折車の後部が突き出していますから、片側2車線で左側車線があいているか、よほど広い路肩の道でないとすり抜けは不可能で、ひたすら右折してくれるまで待つことになります。車はまだしも、バイクや自転車はじっと待っていることはしません。車の間を縫うようにすり抜けていきます。
一方、右折車と対向する側にとっても、右折車(右折車と対向する側からみれば左折しようとしている車)のフロントの一部が車線に突き出しているわけですから、左にふくらんでかわさなくてはなりません。このとき、左側を自転車やバイクが通り抜けようとしているかも知れません。非常にリスクが高まる状況です。
こうしたハンドルを切って車体を曲げた状態の右折車には、もう一つ、リスクが高まる要因があります。
それはハンドルを切った状態で右折待ちしていますから、もし後続車が何かの拍子で衝突した場合、その車は対向車線に飛び出していくことになります。車がきていたら接触、と申しますか、衝突は避けられない状態です。
このケースは二重にリスクが高まる状況を作り出しているのですが、右折車のドライバーは気がついていません。
なぜ「気が付かないか」といえば「考えていないから」ということになります。
本日はここまでにして、次回は「考える運転」について迫りたいと思います。
本日もお読みくださり、ありがとうございました。