kindle本発刊体験③「表紙はどうやって作るか?」
今日は、いったん文字の原稿部分のお話は棚上げにしておいて表紙の話をします。
電子書籍の発刊jについて、もれなくい言われることは「表紙は大切、表紙だけはお金をかけるべし」というものです。「お金をかける」と言っても、どこかのデザイン事務所に発注しろ、という類のものではなく、自分のもつ技術を売り買いするフリマのようなサイト、たとえばココナラというサイトですと、5000円から8000円くらいで請け負ってくれる人がいるので、そういう方にお願いすべき――というものです。
それくらい、表紙の出来栄えで売り上げが変わることがあるので、適当につくるのではなく、ある程度、プロにお願いしましょう、というものです。
表紙のデザインが良ければ売れるのか?
仮に表紙のデザインが目を引くものであったとしても、それで売れるのか、という問題です。これもあとの回で触れますが、280円の値付けの電子本でも著者に入るのは7割に過ぎません。
果たして、元はとれるのだろうか?
私はコストをトコトンかけない主義なので、電子本の掟(?)にそむき、プロには依頼せず、自作と決め込みました。
その理由ですが・・・
・いくら表紙がよくても、タイトルや中身が良くなくては、読んでもらえない、買ってもらえない
・前述したように、そもそも素人の電子本なので、そんなに売れない=印税収入は微々たるものの中でコストは極力、切り詰めるべき
・(プロの方には申し訳ありませんが)そこまで圧倒的に差がつくほどのデザインが出てくるものなのか
――といった主に3つです。
では、表紙のデザインはどうする?
これについても検索して、いろいろ勉強しました。最初はパワポで自作しようかと思ったのですが(仕事でパワポは使っており、それなりに体裁は整えられる自信があったので)、次のサイトがとてもいいな、と思いました。
canvaというサイトです
↓
上部のバナーで「おすすめ」「プレゼンテーション」などのメニューが並んでいますが、この中の「その他」をクリック、サブメニューから「本の表紙」を選択してください。次に上部のメニューから「サイズを変更」をクリック、カスタムサイズに希望する数値を入れてください(KDPの場合、多少の許容の幅はあるようですので、各自でお調べください)。
これを使って作成したのが以下の表紙です。今はこのデザインの表紙で発売しています。この表紙にいたるまでの悪戦苦闘ぶりを実例としてお伝えします↓
いきなりここにたどり着いたわけではなく、いろいろ試行錯誤しました。
まずは表紙の前にタイトルを練る
実際の書店に足を運び、文庫、新書、単行本、話題となっているビジネス本などの表紙をチェックしました。表紙のデザインに気をとられていましたが、ここで気づいたことは、表紙のデザイン以前に、「どのようなタイトルとするか」が実は最も重要だということです。
昔、ビジネス誌の編集に携わっていたので、タイトルの重要性は身に染みてわかっています。タイトル一つで売れ行きに影響がでます。
最近は「〇〇大全」がブームのような感じですが、それを語るには相当な範囲を網羅しなくてはならず、難しいです。なかなか「うまく真似る」ことができないので、自分で考えてつけることにしました。
ここでひとつだけ、事前にチェックしておけばよかったという後悔したことがあります。それは、すでに刊行されている書籍、電子本で類似のタイトルはないか、ということです。このチェックが甘く、電子本として発売されたあとに、泣く泣く取り下げ、タイトルを付け直して改めて審査にかける、ということになりました。
限られた分野について語るとき、キーワードもおのずと限られます。あとは前後にどのような語句を配置するかですが、これもキーワードの親和性などから限定されがちです。
こうしたことから、まずは発行しようとしている分野において、すでに刊行されている書籍のタイトルを検索によって調べ、重複を避けながらタイトルを考えていくしかありません。差別化するために「サルでもわかる」というような語句を頭につけたくなったりしますが、こうしたフレーズは、いわゆる「手垢がついている」感じなので私は避けました。
これまでに私が刊行した電子本の場合3冊のタイトルがどれも秀逸だとは思いませんが、読んでくださっている方がいらっしゃることは確かなので(これはAmazonの著者ページからわかります)、「こんなものかな」と思います。
表紙デザインの悪戦苦闘
第1号の電子書籍のデザインをどのように作っていったかを、実例をお見せしながらs津明します。
最初に電子本の場合は、地の色が白だと背景と同化しがちで目立ちにくい、ということです。それを意識して最初に以下のようなデザインにしました。
これです ↓
最近は紙の本では、ほぼすべてに帯がついています。
そして、その帯には推薦の言葉だとか、本の内容をキャッチ―に表現した言葉などが並んでいることが多いようです。そういったパターンの一つとして「こういう方にお勧め」的なものがあり、「これを採用しよう!」と思い立ちました。
ついでにフォントもありがちなものから、少し個性的なものに変更してみました。
そして最初に「超実践的」という文言を入れました。「実践的」であることは、最も強調したかったからです。
そして写真を削除して、「こんな方にお勧め」を、帯の雰囲気で入れたのが、第2案となった下記のデザインです。↓
やはり写真をいれたくて、再度、デザインし直したのが以下の第3案です。帯のところを目立つように地色を黄色にして、コントラストを強くつけてみました。こうした手法を取り入れている紙の書籍も多かったからです。
そして「超実践的」に加えて「明日から使える」というコピーも追加することにしました。「超実践的」のフォントも第2案から変更しました↓
第3案を改めて見直してみると、黄色地は目立ってよいのですが、書籍の表紙デザインとして見たとき、ちょっと飛び跳ねていて、落ち着きに欠ける気がしてきました。
そこで、ここを手直ししたのが下記の第4案です ↓
これでほぼよし、となったのですが、上下の中央の左側の部分が寂しく、ここに全体の文字数をいれてメダル風にしたのが、第5案=最終形=冒頭に示した表紙、ということになります。
表紙については、人それぞれいろいろな考えがあるかと思います。
あくまで一つのケースとして参考になるようでしたら幸いです。
本日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。