50代からの車選びとライフスタイル研究所

このサイトでは50代以上の方を対象とし、車選びとライフスタイルについて参考になりそうな情報をお伝えしていきます。運転歴35年以上で軽自動車からワンボックスまで9台を乗り継いできました。50代、60代ともなりますと車の選び方や働き方、日々の生活も変わってきます。人生100年時代ともいわれる成熟の世代を楽しく生きるためのクルマ情報やライフスタイル情報、私の考えや思いをエッセイ的にまとめていきたいと思います。

ワクチン接種についての一考察

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ダントツに効率よく接種できる方式が注目を浴びている。

福岡市内の病院に勤務する救急科専門医・黒田亮太医師が編み出した方式だ。

接種を受ける側は一定間隔に並んだ椅子に座ったまま、接種を待つ。するとキャスター付きの椅子に座った医師がやってきて、ワクチン接種を行う。同行している看護師が絆創膏をはってあと15分間、接種を受けた人は様子を見る。特に異常がなければ、それで終了というものだ。

 

福岡県宇美町で実施されたことから「宇美方式」と呼ばれ、各地でこの方式は採用されている。

 

見事な発想の転換だと思う。注射というと、固定観念が邪魔して、病院を思い浮かべる。移動するのは患者。患者が名前を呼ばれたら、診察室に入る。医師は座ったままだ。

従来の発想にとらわれた自治体は、問診のブース、注射するブース、接種後の事後観察のためのスペースと、接種を受ける側が移動する方式しか考えつかなかった。

足腰が弱っていたり、高齢の方を座ったり立たせたり、歩かしたり、また座らせたり・・・。移動にも時間がかかるし、転倒のリスクもある。安全に接種すること、より効率的に短時間に多くの方に接種できること――を目的と考えるなら、宇美方式は最適な方法だ。

 

接種をめぐって、反対に固定観念に縛られたままの部分がある。

それは接種券による方式だ。

すでに職域や大学での接種では、接種券が届かなくても接種できることになっている。

なぜ接種券が必要なのか。本人確認や、接種実績が把握できるということだろう。

しかし最大の弱点は接種券が届かない限り、通常の会場では接種を受けられないということだ。

ワクチン接種の最大目的は一刻も早く、多くの人に接種して、コロナの感染拡大に歯止めをかけることにあるはず。しかし接種券方式は、印刷や封入、発送に多くの手間とコストがかかる。手間も結局はコストにかかわってくる。

確実に「どこの誰に接種したか」を把握することが目的なら、この方式は許されるかもしれない。しかしすでに職域接種などでは接種券がなくてもOKなのだから矛盾が生じる。

 

一般の接種会場でもワクチンを無駄にしないために、事前予約は必要だろう。当日、本人がやってきたら免許証やマイナンバーカードなどで本人確認だけすればよい。予約簿にチェックだけいれればそれで完了でよいだろう。

 

この方式のデメリットは、接種を受けた人を完全には管理できないため、中には3回目を申し込む方もいるかもしれない。しかし、どう考えても、好き好んで3回も4回もワクチン接種をうける輩がたくさんいるとは思えない。3回以上接種して具体が悪くなっても、「それはすべて自己責任」という考え方をもっと前面に出してよいと考える。

 

接種券を発行することのメリットとデメリット、発行せずに上記のような方式のメリット、デメリットを比較したとき、後者の方式のほうがメリットが多く、デメリットが少ない。大規模接種会場をせっかく設置しても、満員にならないという。莫大な手間と人員とスペースをつぎ込んでいるにもかかわらず、である。

 

どこかの自治体で、この直予約・接種券不要方式を導入してくれないかと思う。

 

本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。