50代からの車選びとライフスタイル研究所

このサイトでは50代以上の方を対象とし、車選びとライフスタイルについて参考になりそうな情報をお伝えしていきます。運転歴35年以上で軽自動車からワンボックスまで9台を乗り継いできました。50代、60代ともなりますと車の選び方や働き方、日々の生活も変わってきます。人生100年時代ともいわれる成熟の世代を楽しく生きるためのクルマ情報やライフスタイル情報、私の考えや思いをエッセイ的にまとめていきたいと思います。

大坂なおみ選手の会見拒否に思う

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大坂なおみ選手が全仏オープンを棄権、その理由を明かしたことでテニス界のみならずスポーツ界全体にいろいろな波紋が広がっています。

テニス界の現役選手、元プレーヤー、ほかのスポーツ、国内、海外からさまざまなコメントが寄せられています。事前に自らの考えを発表して1回戦に臨み、勝利したあとのオンコートインタビューを受けたこともあって、それは受けられて会見はNGというのはおかしい、との批判もあります。プロなのだから会見もうけるべき、メディアがあって初めて有名になることもできるのだから、持ちつ持たれつの関係を断つのはおかしい、といった声もあります。

 

こうした記事を目にするときに、一つ、視点が欠けているなと感じます。

テニスのオンコートインタビュー、プロ野球で勝利に導いた投手、打者のお立ち台インタビューは同じカテゴリーかと思います。

試合直後の観客を含めた独特の雰囲気の中で、インタビュアーが繰り出す質問とはどのようなものでしょうか。

 

当然ながら、全体の雰囲気がそうさせるということもありますが、選手の側の表情が曇るような問いかけはありません。選手の側も答えやすい質問で、少なくてもインタビュー後は手を振り、笑顔で観客などに向かって「ありがとうございました!」といって再び拍手を浴びる、というパターンかと思います。

 

しかし会見となると状況は一変します。メディアは当然ながら商業ベースです(公共放送をのぞけば)。普通のことを聞いて誰もが予想できる答えが返ってきたのでは、面白くありません。紙媒体であれば、まずは「どのような見出しが打てるか」ということです。読者の気をひく見出しがとれるようなインタビューが必要なわけです。読者とは人間です。どうも人間の悲しい性なのでしょう、古今東西老若男女を問わず、「人の不幸は蜜の味」的な部分があるようです。

 

となるとポジティブな発言だけでなく、弱気だったり、ネガティブな発言を引き出したくなりますし、場合によっては言葉でなく、表情が険しくなったり、感情的になったり、感情の抑制が効かなく場面になればなったで、それもまた、ニュースとなるわけです。政治家相手の記者の質問や、国会における野党質問はこの代表的なものです。国民が知りたいことを聞いているというより、失言を引き出そうとする駆け引きすらあります。

 

話を大坂選手に戻します。私たちは、彼女のユーモアの利いた、チャーミングな、それでいて計算ずくではない素直なコメントを求めているのだと思います。そして何より、コートにおける彼女のダイナミックなサービスエースや、力強いリターン、ラインぎりぎりを狙った正確なショットを見たいはずです。そして時に感情をあらわにしながらも、そこから冷静さを取り戻してスコアを伸ばしていくところに大坂選手の成長を見てとるはずです。

 

そうしたプレーが見れなくなってしまうような状況を作り出す会見とはなんであるのか、主催者も再考してほしいものです。「質問力」というような書籍があるように、質問によっていろいろな感情や気持ちの面の負担が増すわけですから、いっそのこと、質問をやめて、選手が3分間なりの時間を使って、自分が話したいことを自由に語ることができるようにしたらいかがでしょうか。もちろん、話したくない気持ちや状況のときには、素直に「ごめんなさい、今日はお話しできる気分ではありません」と短く伝えて退席してもOK、というようなルールにすれば、選手側の精神的負担も減るのではと考えます。 

 

ゴルフ界の帝王、ジャック・ニクラスも次のようにコメントしています;

「あなた方は彼女に負担のないよう必要なことをさせてあげるべきだと思う」

 

本日もお読みくださり、ありがとうございました。