危険回避のドライブ術⑧~「見えないところ」を見る技術
今日は「見えないところ」を見る技術、というテーマで書いていきます。
正確には、見えないところは、やはり実際には視覚的に見えないわけですが、その「見えないところにあるもの」を、いかに察知するかということについてお話しします。
すべてふだんから、私が実践していることです。
まずは下の図をご覧ください。私の車を停めている駐車場を出て、すぐの道路状況を略図にして示したものです。
上の図のグレーの部分がブロック塀、オレンジの長方形が私の車、そこから扇型に広がっている水色の部分が目視できる部分だと思ってください。
私の場合、駐車場を出てしばらくは細い道が連続します。上の図のA地点に向かう道は、2mをわずかに超えるくらいの車幅です。A地点は両サイドがブロック塀に囲まれています。
このA地点を右に曲がるのですが、ブロック塀が左右ともに視界を遮ってしまい、見通しが非常に悪くなっています。
しかもこの丁字路の左右方向の道は、近くの高校に通う高校生たちが、毎朝、自転車でびゅんびゅん飛ばしてきます。雪の日も転びそうになりながら走ってきます(なんと無謀な、と思いますが)。
まず、なるべくこうした時間帯と重ならないように出発時間を朝、調整するのですが、それでも重なってしまう時があります。
こうした時は、特に慎重になりますが、ふだんからA地点では上の図のような位置、つまり車の先端をT字路に出さないところでまず、完全に一時停止をします。
そしてそこから、少しずつブレーキを緩め、感覚的には20cmくらいずつ、左右を確認して、動いては止まり、を繰り返します。
相手にも気づいてもらう
しかし、それでも自転車が突っ込んでくるリスクがあるので、それをを避けるために、いちど短くクラクションを鳴らして警告します。天候等により全体が暗い時はパッシングをすることで気づかせることもできるのですが、天気が良い日はやはり、音に頼るしかありません。
ご近所の迷惑にならない程度にクラクションを短く鳴らし、「ここに車がいる」ことを相手に伝えます。それでも高校生たちは、突っ切っていきますが・・・。
そして少しずつ、前進しながらハンドルを右に切っていきます。
この時も決して油断することなく、左右に目配りをします。こちらの車の先端が見える位まで鼻先をT字路に出せると、左右から走ってきた自転車もさすがに車の存在に気づいてくれるので、大概は止まってくれます。
しかしここでも油断ならないのは、それでもわずかに開いた隙間をそのままのスピードで駆け抜ける輩もいます。ですから、ここでも「相手が止まってくれるだろう」という過信は禁物です。
やはり、こちらが亀のごとく一定のスピードで、そろりそろりと出ていくしかありません。ここは勤務先へ向かう全行程の中でも、1番の難所と言っていいくらいの場所です。
もし私と同じような道を走る方で、そして車の買い替えを検討していて、さらにそこで次のようなオプションが選べるとしたら、ぜひ装着されることをお勧めします。
それは車のフロントグリルのところにつける小さなカメラです。これによって見通しが悪いところの左右を、運転席からは見えなくてもカメラがとらえ、それをカーナビなどに映像として映し出してくれるというものです。
これは私も最後までつけるかどうか悩んだのですが、トータルの支払い金額のこともあり断念してしまいました。しかし今では、やはりつけるべきだったかなと思っています。
さて、こうして無事に右折できても、まだまだ細い道が続きます。どのぐらい細いかと言うと、車がすれ違う事は難しいくらいの狭さです。おおよそ、上の図のABを結ぶ道路幅とオレンジの車の車幅を参照いただければ、おわかりになるかと思います。
ここで車同士が鉢合わせになったときには、B地点が唯一、車が待避できる場所となります。どちらかがそこに止まって待つ、もしくはバックして相手の車をやり過ごすしかありません。相手が大きな車だとそれでも足りませんので、私の場合は一旦そこを(B地点、図でいうと下のほうに)曲がってしまいます。
そしてその車がトラックなどが行き過ぎたら、ハザードをつけながらゆっくりとバックをしていきます。このバックもなかなかリスクがあります。たまにそこを通りかかた相手の車からクラクションがクラクションを鳴らされることもあります。
この場合はむしろ、遠くから鳴らしてもらったほうが、お互いに危険を回避できるので正解なのです。バックは前進のときよりも、さらに左右の視界がききません。
車の影で存在を知る
話を戻します。私が右折をして細い道をそのまま進んでいくと、B地点の下から上へ向かって、私の前に出てくる車もあります。
ここで気をつけなくてはならないのは、そもそも交通量がそんなに多くない道ですので、皆さん「そんなに車は通らないだろう」という憶測のもと、結構車の先端を脇道から出した状態で、一時停止をされます。
A地点からB地点に向けて走ってきた私とすれば、いきなり右側から車のフロントグリルや前輪が飛び出してくるように見えるわけです。
ここまで飛び出されますと、その前をすり抜けることができなくなります。そもそも止まってくれるかどうか心配になります。悪いことに、B地点に向かう道(図では下から上へ向かう方向)は傾斜になっていて、耳をすましていてもエンジン音を聞き取ることは難しいです。そもそもハイブリッドやEVだと無音です。
そこで車の影に注目します。これも太陽が出ているときに限られてしまいますか、図の下方向から車が出てくる場合、車より先にその影を私は見ることができるのです。図の下が東側ということです。
車の影が、私が走っている道に向かって生きている場合、私はすぐにクラクションを鳴らします。そうすることで相手はすぐさま停車することができます。曇りや雨の時はこのては使えないのですが、晴れの日だけでも、こうした影を利用して、車の存在に気づくようにします。
もうちょっと繁華街になりますと、メインの通りから外れた細い道で、脇道から車が不意に出てくると言うこと事はあります。
こうした繁華街ですと、そこは大抵ブロック塀などではなく、店舗やマンションの玄関などがありますので、そうしたもののガラスに映る車の姿に注目します。
相手を見つけたらまずは十分にスローダウンし、相手が止まってくれないような場合には、クラクションを鳴らし警告を発します。もちろんこちらが優先される道の場合です。
耳も大切
やはりすべての基本は視覚と聴覚を最大限に生かして集中する、と言うことに尽きると思います。ですので高速道路やそれに準ずるような大きな国道の場合はともかく、それ以外の集中力を要するような道の場合、私は一切の音楽やラジオを聴くことを諦めています。
以前は英語のCDなどを往復の通勤に流したら、さぞや英語に接する時間が増えるだろう、結構、上達するかも、などと思っていましたが、やはり私の脳は2つのことに集中することができないようで、どちらか一方になってしまいます。当然運転を優先せざるをえません。
ですので私の場合、運転中は、耳も目も、全て運転のためだけに使うようにします。
これはストイックなくらいのレベルです。
見えているようで見えていないことも
今日のテーマと少しずれますが、「見えているようでも見えなかった」ということもあります。
同じ経験をされた方もいらっしゃると思いますが、高速道路で車線変更しようとした時、真横に車がいたというケースです。
もちろんその前にはルームミラーを見て、サイド(ドア)ミラーを見て、そしてウィンカーを出してハンドルを切り出すのですが、このウィンカーを出して切り出そうと思った時に、ふと目視で真横を見ると何故か車がいた、ということがあります。
これはタイミングの問題で、ルームミラーもサイドミラーも見たときのタイミングでは視界に入らなくても、真横にいるということはあります。
これはミラーの限界だと思います。
こうした時に役立つのが、ブラインドスポットモニターという安全運転支援装置です。これは私の車にはついていません。オプション設定もありません。ブラインドスポットモニターは比較的高い価格帯の車で上級グレードですと、標準装備されている場合もありますが、たいがいは、よくてもオプション設定ということが多いかと思います。
私のFITでは、上級グレードでもオプション設定すらありません。
このように、注意深さで補い切れない部分を補ってくれるのが、こうした安全運転支援装置だと思います。ただ当然こうしたものを装着しますと、トータルの金額も上がって参りますので、そこはなかなか悩ましいところだと思います。
私自身はまだ自分の視覚と聴覚で何とかなると思っていますが、次の車の買い替えのときには、そして今と同じような道路を走るような状況であるならば、フロントのカメラとブラインドスポットモニターをオプションであったとしても選ぶかと思います。
万一のためにもドラレコも
最後に、やはりドラレコは今の時代、必須かと思います。前後録画タイプのものをお勧めします。後部カメラからの配線の取り回しですが、コードを内装の中に隠すことはそれほど難しいことではありません。
ただ、どうしても素人配線ですと、運転席まわりは多少、コードが露出してしまいますが、内装と同色ですとさほど目立ちません。
本日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。