メンタルコーチについての一考察
昨日、大坂なおみ選手が全豪オープンを制覇、それには精神面の安定、成長、強さがあったことが大きいのでは、というようなことを書きましたし、評論家諸氏もそのように言っています。
あらためてチームなおみの面々をみますと、メンタルコーチという肩書の方は、今はいません。かつてはいました。
サーシャ・バイン氏です。
彼はかつて、あのウィリアムズ選手のチームにいました。
『心を強くする』という著書も発刊されています。
少し横道にそれますと、同氏曰く、ウィリアムズ選手もよく、試合中に怒りを爆発させてラケットを叩きつけたそうです。しかし、そうしたことは必ずしも悪いことではない、と書いてあるそうです(私は読んだことはないですが要約にはそうなっておりました)。
ほかのスポーツでいうと、野球ならバットを叩きつける、ゴルフならクラブを叩きつける、ということになります。
プロ野球ですと、外国人選手が怒りにまかせてバットを自分の腿でへし折る、というシーンも実際にみました(もちろん木製バットですが、そのパワーや恐るべし、です)。
しかし高校野球でしたら、まして甲子園などでしたら、とんでもないことになります。
「道具を大切にしない」として批判を浴びてしまいます。
ゴルフでも、そのような行為はご法度です。
本題に戻します。
大坂選手の強さは、サーシャコーチがいたときから養われていったものかもしれません。彼はよく、感情的になっている大坂選手の横に座って「何を怒っているんだ、君はよくやっているじゃないか」などと会話している様子をテレビでみたことがあります。
その彼がどうしてチームを去ったのかは存じ上げません。
ただ、このあとにご紹介する白井氏のブログなどを読みますと、その選手をよく理解し、信頼しあえることこそが大切で、特に資格にこだわるものではない、といったことを書かれています。
カーリングの強豪、北海道銀行フォルティウスは、チームにメンタルコーチが就任したことを発表しました。
このメンタルコーチこそが白井一幸氏です。白井さんは1983年にドラフト1位で日ハムに野手として入団しました。その後の経歴は下記をご覧ください。
経歴みる限り、心理学などを専門的に学んだということではなく、さまざまな経験を経て、企業での講演や研修を手掛けているそうです。
バレンタインデーの日、カーリングの日本選手権女子決勝が行われました。
ロコ・ソラーレが勝てば北京五輪への切符を手にし、北海道銀行が勝てば、「待った」をかけて、再度、両者で決戦の場を設ける、ということで、北海道銀行にとっては、なんとしても勝たなくてはならない試合となりました。
おまけにスイープしていたブラシがストーンに触れて、北海道銀行はこの一投を無効とされてしまいました。テレビでも「珍しいプレー」と紹介されるくらい、このクラスの試合では普通は起こらないことです。
同様して大きく崩れそうな場面でしたが、ここをしのぎ、結果としてロコ・ソラーレのスキップ・藤沢さんがコントロールを乱したことなどもあって、道銀が勝利したのです。
ここで注目されたのが2020年10月からチームにメンタルコーチとして加入した白井コーチの存在です。北海道銀行のチームは、同コーチのもと、メンタル強化を図ってきたといいます。テレビの報道でも同氏は大きく映し出されていました。
ミスをしたときも、チーム内で「大丈夫」と声をかけあって、動揺しないようにしたといいます。
白石氏は野球でのコーチや監督経験があり、同じチームプレーで、しかも攻めと守りの時間が明確に区分されているカーリングとは共通点も多く、経験に裏打ちされたアドバイスが奏功したのでしょう。
「メンタルコーチ」という名称でなかったり、そんな位置づけを意識しないのかもしれませんが、人は知らずしらずのうちに、誰かにメンタルコーチをやってもらっていて、そして自分も、知らないうりに誰かのメンタルコーチをやっていた、あるいはやっているんだろうな、という感想に至りました。
本日もお読みくださり、感謝いたします。ありがとうございました。