50代からの車選びとライフスタイル研究所

このサイトでは50代以上の方を対象とし、車選びとライフスタイルについて参考になりそうな情報をお伝えしていきます。運転歴35年以上で軽自動車からワンボックスまで9台を乗り継いできました。50代、60代ともなりますと車の選び方や働き方、日々の生活も変わってきます。人生100年時代ともいわれる成熟の世代を楽しく生きるためのクルマ情報やライフスタイル情報、私の考えや思いをエッセイ的にまとめていきたいと思います。

AmazonCEO、退任発表に思う

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あのAmazonのジェフ・べゾスCEOが今年中の退任を発表した。57歳。

引退後は常勤の会長職にとどまりながら、教育・環境分野の慈善活動にシフトしていくという。

 

興味深いのは、ジェフ氏の生い立ちだ。

同氏の母がジェフ氏を懐妊したのは高校生のときだったという。母親は勉強を続けたものの、高校の卒業式への出席は許されなかった。

一方の父親も移民で、最初は英語が話せなかったという。「しかし勤勉で機知に富む両親が私を形作った」。

以上は米議会の公聴会で同氏自らが語った言葉だ。

 

1994年に(アメリカでよくあるように)ガレージでAmazonを創業した。

ネット通販で最初に手掛けたのが書籍だった。

 

今にしてみれば、まあ書籍から手掛けるのが順当だよね、と誰もが思う。

しかし、それは結果論であって、最初にそれを思いついたジェフ氏はやはりすごい。

 

なぜ、本がネット通販に向くのか?

答え合わせ的に考えてみた。

 

・本はおそらくすべてのジャンルの商品と言われるものの中で、毎日、最も多くの新商品新刊)が発売される。売り物に事欠かない

・宣伝は出版社がしてくれるし、リアルの書店に並んでいることそのものが宣伝効果がある

 

・そのときは買わなかったとしても、あとで書評やテレビなどで取り上げられ、「やっぱり買おう」となるタイプの商品

 

・日本には2000年に上陸。アメリカにあるかどうかはわからないが、日本では芥川賞直木賞の発表があり、その受賞作品というだけで買い求める顧客がいる(店頭で品定めせずとも購入に結び付く)

・他人の評価をレビューによって見ることで購入の判断材料になる

 

・リアルの書店のように店内を歩き回らなくても、類書や関連書籍が容易に検索できたり、表示される

 

・書籍はそれなりに重量があるが、ネット通販なら届けてくれるので楽

 

・当然だけれど自宅に居ながらにして入手できるので時間の節約になる

 

・書籍は対象者が広い(年間を通じて1冊も読まない人は少ないのでは)

 

・本を買おう、読もうという人は知的好奇心があり、PCやネットのリテラシーも高く、飛びついてくれやすい

 

・・・ざっと考えても、これくらいの理由は思い当たる。

本ではなくて、別のジャンルの商品からスタートしたら、今日のような繁栄はなかっただろう。

 

なぜAmazonで買うのか?

今や書籍でけでなく、ありとあらゆる商品がそろうAmazonだが、これだけ幅広いと特定のカテゴリーキラーというより、すべてのカテゴリーの量販店といえよう。

 

体験的にいえば、圧倒的な買い物のしやすさにあると思う。

どの商品を選ぶ場合でも、ページの構成やイメージは同じ。

デザインでいうところのトーンアンドマナーがそろっており、違和感がなく、いつ訪れても、馴染みの店に入っていったかのような錯覚にとらわれる。

操作もいつも同じでミスオーダーすることもまず、ない。

配送先を変更してコンビニ到着にすることで確実に受け取れるようになる。そのコンビニを探すのも、地図から容易に行うことができる。

 

良い悪いではなく、好き嫌いのレベルの話だが、楽天だと、店ごとに個性があり、これが好きという方もいるだろうが、私は目当ての商品が見つかりにくく、ちょっと苦手だ。

 

Amazon Primeも考えられた仕組みだ。

月に500円で無料で本が読めたりビデオが見れたり、本や商品がすぐに届くのは、やはり快適だ。

しかし本業が忙しくなると、そうそうビデオを見る時間もなく、本を買う機会も減り、新刊を出てすぐに買うことがなくなってきた。

気が付くと、その時々の仕事のテーマや関心により、Amazonで本当に読みたい本を買うことが増えてきた。中古本は配送料がかかる場合がほとんどだ。

こうなるとAmazon Primeの会費も馬鹿にならなくなるので、やめた。

月500円というのは実に微妙な価格設定で、さほどメリットを享受しなくても「まあ、いいか」となる金額だ。よく考えられている。

 

「善意は役に立たない。仕組みが解決する」

Amazonの物流施設で目にするモットーだという(本日の日経の記事による)。
この言葉に、創業者でCEOのジェフ氏の生い立ちや苦労、どうすれば成し遂げることができるかを、とことん追求してきた想いを感じてしまう。

 

この言葉を別のたとえで考えてみた。

工場で働いている人が、部品や製品を失敬するようなことをないように、工場内に標語を掲出するのは[「人の良心や善意」に訴えかけたやり方。

一方、監視カメラをあらゆるところに設置し、出入りの際に探知機などのゲートをくぐらせるのが「仕組みによる」防止策。

 

きれいごとで言えば性善説に訴える標語掲出方式だが、人数規模も多くなってくると、「仕組み」を導入して、そうした悪意を起こさせないようにする、というやり方もありなのだと思う。

 

それにしても一代で、Amazonを発想し、成長させ、これだけ普及させた才覚には、やはり脱帽せざるを得ない。

この才能を第二の人生で、どのように発揮するのか、注目してみたい。

 

本日もお読みいただき、ありがとうございました。